まず、分かりやすいようにこの４技能を図解すると、こうなるよ。

インプット アウトプット 音声（Sound） Listening Speaking 文字（Words） Reading Writing

　上の図でも分かるように、まず音声を使うものと文字を使うものに分かれ、それぞれに他者から受け取るもの（インプット）と自分から他者に伝えるもの（アウトプット）がある。こう書くと、４技能の関係がよく分かるよね？

　ほとんどの人は“Reading→Writing→Listening→Speaking”っていう順になるんじゃないかな？

　僕もそうだったけど、これは受験とか学校の英語教育の弊害なんだよね。中高や予備校で教わるのは主に受験制度もせいもあって、文字を使うものがどうしても主体になっちゃう。（少しづつ変化はあるみたいだけど・・・）だから、こうなってしまうのもしょうがない。僕も、学校の英語の成績は良かった方だし、受験とかでも英語だけは真面目に勉強してたから得意になったけど、全くしゃべれなかったし、聞いてもちんぷんかんぷんだった。

　ただね、これは必ずしも悪いとは言えないんだ。僕は大学院に入ったくらいからほんとうの英語（コミュニケーション）に興味を持って勉強し始めたんだけど、音声技能の上達に文字技能の知識がすごい役立ったから。

　そう、この４技能は全く関連がないものじゃない。それどころか、密接な関係がある！！どれかが特出することはないし、ある技能が高ければ、他の技能が高まるポテンシャルは十二分にある！もちろん慣れというか訓練は必要なんだけどね。（特に音声面はね。）

　インプット技能を伸ばすのは、勉強すればさほど難しいことじゃない。ある程度の分量をやればだんだんできるようになるし、勉強するための素材もたくさんある。（例えば、本屋さんに行けばたくさんあるよね？）

　ただ、アウトプット技能は難しい・・・なかなか上達しにくいし、勉強するための素材も、学校や英会話学校で授業を受けたり、外国人の友達との会話やメールなどに限られてくるから、チャンスを見つけるのがなかなか難しい。

　もちろん、勉強というか、訓練の場面をできるだけ作ることが重要なんだけど、その前に心に留めておいた方がいいのが、インプットとアウトプットは言い換えると、“passive”と“active”になるということ。これは「受動」と「能動」っていう英語文法的な意味がもとなんだけど、もっと言うと「受動的」と「積極的」という風にも取れるんじゃないかな？

　そう、積極的な気持ちが、アウトプット機能を高める上では大事なんだ！だから、勉強の機会を増やすだけじゃなくて、その時に積極的にしゃべろうとしたり、書こうとしたりするその気持ちこそ、一番大事なんだよね。

　もちろん、インプット技能を疎かにしちゃいけない。インプットで吸収しないとアウトプットできないし、言語って言うのは相手との関係があってこそ成り立つわけだから、相手の言いたいことをできるだけ正確に理解できる能力はもちろん、そういう気持ちも大事になってくるからね。

　会話だけ勉強するっていう方法もあるだろうけど、これは子供のように吸収力が旺盛だったり、変にコンプレックスがない場合にはとっても有効だけど、上達が遅くなりがち。大人だったら４つの技能をうまくミックスさせて、しかもできるだけ関連付けて勉強するのをおすすめするよ！