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↑基礎力をチェックしたら、しっかりと問題集などを使って勉強しよう!↑

がんばれ大学受験生-センター試験関連!
センター英語を使った基礎力チェック

 センター試験は基本レベルの良問が多く、基礎力チェックにはもってこい。ここではセンター英語試験を使った基礎力チェックの方法について書くので、ぜひやってみてね。現段階での基礎力がどのぐらいあるかが分かるし、センター試験に関係ある人には試験対策にもなるよ。

<センター試験英語を使った基礎力チェック> <3パターンのチェックの方法とチェック用紙>
<A.制限時間を決めない基礎力チェック> <B.制限時間を決めた基礎力チェック> <AとBのチェックポイント>
<C.2つの結果を比較するチェック> <最後に>


<センター試験英語を使った基礎力チェック>

 能率よく勉強するためには、模試などを利用し、定期的に自己分析し、対策を考え、実行することがとても大事。だから、定期的に実力をチェックすることは大切なこと。そしてその際、基礎力がどのぐらいあるかをつかむ必要があるんだ。

 基礎力がしっかりあれば、もっと難しい問題に挑戦することで、もっと高い実力をつけることが可能になる。逆に、基礎力がしっかりとしていないのに難しい問題に挑戦しても、なかなかできないだけじゃなく、解説を理解できない。そのため、無駄な時間がかかりすぎて勉強の能率が悪くなり、実力が上がりにくい。

 もちろん、必ずしも基礎力をつけてから難しいレベルに向かう必要はないし、時期によっては基礎力が固まっていなくても上のレベルに挑戦しなければいけない場合もある。でも、そうは言っても、やっぱり基礎力を固めておくことは大事だし、基礎力があるかをチェックすることで今後どのような勉強をしていけばいいかが分かる。また、今までの勉強が効果的だったかどうかも分かるから、勉強を修正する上でも役立つんだ。

 そこで注目したいのがセンター試験。センターの問題は英語に限らず、教科書レベルの基本的な問題が多く、良問がそろってる。ただ、英語に関しては量があるから、時間をかければ問題を解ける人も、限られた時間で実力を出すことが難しく、思ったより点数が伸びない人が多いんだ。(詳しくは「センター英語分析」を読もう)

 受験英語では、自分の持っている力(知識力と思考力)を使って正確に解くことと同時に、限られた時間内でスピードよく解くことも重要になる。このことはいろいろなページでも書いてるけど、とにかく正確性とスピードの両立が大事ということ。センター英語は、問題の質と量が適度に基礎レベルになっているから、基礎的な2つの力が両立しているかをチェックするのに、センター英語を使うのは非常に有効なんだ。

 実力を知るならば、模試がいいのでは?って思う人がいると思う。確かに、模試も自己分析にはとても役立つんだけど、模試だと基礎レベルを超えた問題が多いので基礎力チェックという意味では分かりにくいし、時間制限があるからスピードがない人は点数がかなり抑えられてしまう。だから、基本問題ばかりのセンター試験を使って、しかも制限時間を設定するパターンとしないパターンの両方で、チェックをするんだ。

 詳しくは下にある方法でチェックして、それに合った対策を立て、実行することで、短時間で効果的な勉強ができるはず。うまく使って、実力アップしようね!


<3パターンのチェック方法とチェック用紙>

 次に、具体的なチェックの方法について説明するね。チェックは、目的に応じてやり方を少し変えて行うといいんだ。まずは、A.制限時間を決めない基礎力チェックと、B.制限時間を決めた基礎力チェックがある。さらに、C.2つの結果を比較するチェックも加えるともっとよく分かる。

 上に書いたように、問題を正確に解くための力と、スピードよく解くための力の両方が必要だから、制限時間を決めてやった方がいいので、理想を言えばBがいい。試験が近くなってきた受験生(後期以降)は、Bの方法でやることをすすめるよ。特に、センター試験を受ける人は絶対Bをやらないといけない。実力チェックはもちろん、センター対策にもなるからね。でも、受験まで時間的な余裕がある人(受験生の前期〜後期の初めの時期)は、制限時間を決めてしまうとあせって力を発揮しにくいので、正確に解くための力があるかどうかのチェックができないので、まずはAの方法でやるといい。さらに、これは全員に言えるのだけど、AとBの両方をやって、そのギャップを見ることでも、大切なことが分かるんだ。

 そこで、3つの方法に分け、やり方とチェックポイントの例を説明するね。十分に活用し、時期や目的に合わせて、うまく基礎力をチェックしよう。

 *チェック結果をより明確にするために、メモをする必要があるんだけど、その助けになると思うので、下のチェック用紙をクリックして、新しく出てきたページをプリントアウトして使おう。


<チェック用紙>

2005年度「本試験」「追試験」
2004年度「本試験」「追試験」
2003年度「本試験」「追試験」
2002年度「本試験」「追試験」
ベース「ベース」予想問題集などで使おう


 *基礎力チェックを行うためにも、センターの赤本は早めに購入しておこう。毎年5月ごろに出るからね。また、2002年度から問3−Cが大きく変わったので、その前の問題では基礎力チェックや、全体を通した過去問演習の価値が下がる。もっと他の問題を使いたい人は、センターの予想問題集を利用しよう!

 センター英語過去問 「赤本(教学社)」 「黒本(河合塾)」 「青本(駿台)」 「白本(代ゼミ)」

 センター英語予想問題集 「黒本(河合塾)」 「青本(駿台)」 「白本(代ゼミ)」

(まだ持ってない人は、上のURLからも買えるよ。amazonにリンク)


<A.制限時間を決めない基礎力チェック>

 本来、英語の過去問演習の際は、制限時間より少し短めの時間で解く練習が大事。だからセンターを使った基礎力チェックの際にも、制限時間を決めて解きたい。(つまりパターンBね)ただしこの方法だと、スピードがない人は全然できなくなってしまう。

 確かにスピードは大事なんだけど、正確性も伴わないでスピードだけ速くても、意味がない。しかもここでは、あくまで基礎力をチェックすることが目的だから、まずは制限時間を設定しないで、基礎力が正確性の面からどのぐらいあるかどうかをチェックする必要があるんだ。そこで、このパターンAをまずやってみることが大事というわけ。

 このチェックを、受験開始当時(3〜5月)に行うことで、その後どのレベルの勉強からスタートすればいいかが分かる。また、夏休み終わりから後期の初めごろに行えば、前期にしっかりとつけなければいいけない基礎力がどこまでついたかをチェックでき、後期の勉強をより現状に合うものにできる。なので、このパターンAは、初期段階の基礎力チェックとして行うと効果が高いよ。初期段階では、スピードよりも正確性が大事だからね。

 それでは、方法を説明するね。

 1.センター試験の問題をコピーし、チェック用紙をプリントアウトする。

 2.本番の試験のつもりで問題を解く。その際、制限時間は無視し、正解の根拠を見つけて解けるまで、しっかりと考えて解こう。(もちろん、時間は関係ないといっても、できるだけ速く解く意識は大事。答えが分かった時点で次の設問に進み、考えても分からない問題はあきらめて、一番正解に近いと思う答えをマークしよう)そしてこの際大事なのは、パターンBでの時間配分を考え、パターンCで行う比較のために、問題ごとにかかった時間をチェック用紙に書いておくこと。

 3.解答を元に自己採点し、チェック用紙に正答率を記入する。

 4.解説を読んで、しっかりと復習する。

 5.チェック用紙を元に、正答率で問題を解く力をチェックする。全体として考えることはもちろん、大問別にも考えよう。

 6.それを元に対策を考え、実行すること!「英語の分析と対策」も参考にしよう。

 以上が方法。5のチェックポイントは、<AとBのチェックポイント>を見よう。


<B.制限時間を決めた基礎力チェック>

 パターンAでは、基礎力を正確性の観点からチェックした。ただし、英語のテストでは、スピードももちろん大事。だから、制限時間を決めることで、正確性にスピードも加えたチェックをしたい。そこで、制限時間をしっかりと設定し、基礎力が正確性とスピードの両面からどのぐらいあるかどうかをチェックする必要があるんだ。

 本番の制限時間は80分だけれど、緊張して遅くなることを加味し、全体の制限時間は75分(試験前の対策ならばできれば70分)で考えるといい。制限時間を決めれば、自然とスピードへの意識が高まるから、本番の試験により近い形で基礎力をチェックできるよ。

 このチェックは、もちろん受験開始当時にやってもいいけど、ほとんどの受験生がそれだと時間切れになってしまい、基礎力が把握できない。だから、スピードが次第についてくる後期以降に、このチェックをやると効果的。もちろん、本番の試験が近くなったら、この方法で行うのが大事だよ。

 それでは、方法を説明するね。

 1.センター試験の問題をコピーし、チェック用紙をプリントアウトする。

 2.問題に取り掛かる前に、大問ごとの目安の制限時間を考えて、チェック用紙にメモしておく。解く順番を変える人は、そのこともメモしておく。(時間配分や解く順番がよく分からない人は、まずは「英語の分析と対策」にある僕の例を参考にまずはやってみよう。パターンAをやった人は、その時の時間を加味すると自分に合った時間配分を作りやすい)

 3.本番の試験のつもりで問題を解く。その際に、問題ごとにかかった時間をチェック用紙に書いておくこと。(実際の試験では時間のロスになるのでやらないけれど、自己分析や過去問演習にはこれが超重要になる)全体として時間切れを起こさないよう、時間配分に注意!

 4.解答を元に自己採点し、チェック用紙に正答率を記入する。

 5.解説を読んで、しっかりと復習する。

 6.チェック用紙を元に、正答率で問題を解く力を、時間でスピードをチェックする。全体として考えることはもちろん、大問別にも考えよう。

 7.それを元に対策を考え、実行する。「英語の分析と対策」も参考にしよう。

 8.センター対策用に行う場合は、制限時間と解く順番の見直しをし、時間配分に修正を加え、もう一度1に戻って別の年のものを行う。

 以上が方法。6のチェックポイントは、<AとBのチェックポイント>を見よう。


<AとBのチェックポイント>

 パターンAとパターンBの結果を分析する場合は、問題全体と大問ごとに別々に考え、Aの場合は正答率(正確性)を、Bの場合は正答率に加えて時間(スピード)の観点から考えないといけない。つまり、Aは2、Bは2×2=4つの面でチェックしないといけないということ。そこで、4つに分けて、チェックポイントを説明するね。

   <1.問題全体の正答率(正確性)>

 まずは、総合的な英語力があるかどうかをチェックするため、問題全体の正答率をチェックしよう。下にあるのはパターンA(制限時間を決めない基礎力チェック)の一応の目安となるライン。一般的に、Aの方がBよりも点数が高く出るから、B(制限時間を決めた基礎力チェック)は1割減ぐらいで考えてもいいよ。

 ・全体で9割以上取れた人・・・十二分にセンターレベル以上の基礎的な正確性がある!もっと高いレベル(標準&発展レベル)の問題に挑戦し、さらに実力を伸ばし、センター以外の試験でも英語で点数を稼げるようにしよう。(パターンAでチェックした人は、正確性は身についているので、普段の勉強の際にスピードよく解くことも意識しよう!)

 ・全体で8割〜9割だった人・・・基礎的な正確性はそこそこある!ただ、まだ少し物足りない部分があるので、そこを補いたい。基本から標準レベルの問題を中心に勉強し、着実な実力をつけよう。その中に発展問題を混ぜるといい。(パターンAでチェックした人は、正確性を上げることを意識し、余裕があればスピードも少し意識するとよい)

 ・全体で8割以下だった人・・・基礎的な正確性がかなり不足している!でも悲観しすぎないでいい。今後に伸びる余地が大きいということでもあるからね(特に、まだ試験まで時間的な余裕のある人は、このレベルで当たり前だよ)。まずは、基本レベルで解説の多い教材で基礎的なポイントを理解し、基本レベルの問題演習をしっかりと行って知識を増やすことで、センターレベルは確実に解けるようすること。その後に、もっと上のレベルの問題に挑戦していこう。(パターンAでチェックした人は、正確性をまずは意識し、まだスピードは意識しすぎないでよい)

   <2.大問別の正答率(正確性)>

 問題全体で見ると、おおまかにしか基礎力がつかめない危険性がある。センターはかなりの部分を読解問題が占めているから、読解が得意(特に簡単な文章が速く読める人)だと点数が高く出てしまうからね。なのに自分は基礎力があると勘違いしてしまうと、語彙+文法の基礎が疎かなまま先に進んでしまう危険性があるんだ。

 そこで、大問を上手く使って分析することで、受験英語の3本柱でもある語彙、文法、読解に分けて自分の基礎力をより細かく分析するのが大事になる。

 ・語彙・・・まずは、問2−Aの中の語彙問題の正答率をチェックする。これが低い場合(目安は問題全体の時と同じぐらい)は、基本的な語彙力が相当不足している。また、問2−Cの整序英作文を解く際、カギとなる熟語や構文が分からなかった人も、語彙力不足なので注意。さらに、センターの読解問題の中に出てきた語彙で知らないものが多かった人も、語彙力がかなり不足している。読解をしている時の印象を思い出したり、復習の時に知らなかった&うろ覚えだった語彙の数をチェックすることで、自分の基礎的語彙力がどのぐらいあるか分かる。

 ・文法・・・まずは、問2−Aの中の文法問題の正答率をチェックする。これが低い場合は、基本的な文法力が相当不足している。また、問2−Cの整序英作文の正答率が悪い人や、できたとしても自信を持って並べることができなかった人も、文法力不足なので注意。さらに、センターの読解問題の中で、文構造が分からない文がけっこうあるようならば、読解のために必要な文法力が足りない。

 ・読解・・・センターで普通の読解問題と言えるのは問3と問4と問6なので、この3つをチェック材料に使う。設問ができているかどうかで読解力があるかどうかを判断するのは危険なんだけど(センターの場合は特に、設問がやらしくないしマークなので注意)、ここではまずは大まかにチェックしたいので、設問の正答率を調べて、基礎的な読解力があるかどうかをチェックしよう。また、問3ができなかった人は、文章を読むために大事な、文と文のつながりへの意識が薄い可能性があるので注意。

 以上3つに分けて分析することで、基礎力がどのぐらいあるかが分かる。分かったら、それに合わせて、普段の勉強で力をつけよう。また、3本柱がしっかりとできた人は、口語問題(問2−Bと問5)、アクセント・発音・強勢もチェックしよう。

 さらに、これは基礎力チェックに限らず、センター試験対策でも重要なのだけど、正答率が低い(6〜7割以下)大問があった場合は、何年かその大問だけを解いてみよう。(何年か分は全体で問題を解きたいので、かなり昔の過去問を利用するか、問題集を利用するとよい。あるいは、もう1年分、問題全部を解いて、チェックするのが手っ取り早い)それでも正答率が低い場合は、関係ある分野が苦手な可能性が高いので、その分野の勉強に特に力を入れて行うことが大事。センター試験対策として行う場合は、その大問だけを何年分も演習するのも、非常に有効な方法。

   <3.問題全体の時間(スピード)>

 スピードも、まずは問題全体での時間をチェックしよう。

 ・十分余裕を持って全て終わった人・・・十二分にセンターレベル以上の基礎的なスピードがある!今後は、センター以外のもっと難しい問題でも、スピードよく答えられるように問題演習をしよう。(時間は速いけれど正答率がその割に低い人は、逆にもう少しスピードを落としてじっくり取り組んだ方がよい。)

 ・ギリギリだった人・・・基礎的なスピードはそこそこある!ただし、練習でギリギリだと、本番のセンター試験では、時間切れを起こす危険性が高い。また、センター以外の入試は通常もっと問題量が多いので、今のままのスピードではかなり厳しい。普段からスピードを意識して勉強することがとても大切。問題を見て、必要な知識がすばやく頭から出てくるように、しっかりと問題演習を重ねよう。

 ・全体で時間切れを起こしてしまった人・・・基礎的なスピードがかなり不足している!もっと、すばやく解くことを意識しよう。適当に答えて正答率が下がっては意味がないけれど、手付かずの問題があったら致命傷になる。時と場合によっては、自分の決めた制限時間内で考えた最も正解だと思うものにマークしたり、分からない問題は適当にマークして思い切って先に進む勇気も必要。センター以外でも、普段から問題を解く時に、制限時間を自分なりに決めて解くとよい。

   <4.大問別の時間(スピード)>

 これも正確性と同様、大問別に時間をチェックすることで、分野別にスピードを探ることができる。その際大事なのは、自分で考えた時間配分や一般的な時間配分(例えば僕が推奨しているもの)よりも遅くなってしまう大問を見つけること。その大問に関係のある分野のスピード力が足りない可能性が高いからね。

 ただし、時間だけ速くても、正確性が低かったら意味がない。そこで、大問別のスピードをチェックする場合は、<2.大問別の正答率(正確性)>に書いてあることと関連づけて、大問ごとにスピード(時間)を加味して考えよう。

 また、センター対策としては、問題全体として時間的に厳しい人は特に、時間のかかりすぎる大問を見つけ、その大問をもっとスピードよく解くか、または他の大問の時間を短くしてその大問に時間を回すなど、時間調整の必要性が出てくる。さらに、時間がかかりすぎる大問を見つけたら、その大問だけ何年も解いて正答率とスピードを上げると共に、その大問と関連のある分野の力を上げるよう、過去問以外の普段の勉強をしっかりとやらないといけない。例えば、読解問題が遅い人は、普段の読解の勉強で速読を意識するとか、速く解く練習をするとかが必要になるよ。


<C.2つの結果を比較するチェック>

 今までAとBに分けて基礎力をチェックしてきたけれど、これを両方できるだけ近い時期に行って、2つの結果を比較することで、自分の基礎力のレベルをより深く図ることができる。これが、パターンCの2つの結果を比較するチェックだよ。

 やり方はとても簡単。AとBの結果の用紙を横に並べ、違いを比較するだけ。この際、もちろん違う問題を使わないとだめだよ。問題が違えばもちろん難易度が変わるから正確には比較できないんだけど、センターの英語の難易度は年によってそれほど差があるわけでもないから、違うものを比較しても十分チェックとしての役割を果たすからね。

 AとBの結果は、それぞれ違う力を示す。Aは「自分の最大限の実力」で、Bは「時間の制約のある状態での制限された実力」なんだ。ということは、この差があればあるほど正確性とスピードのバランスが悪いということの証明になるんだ。

 また、Aは「最大限の力を発揮するのに必要な理想的時間配分」を、Bは「現実的な時間配分」を示すので、その差の違いが、今後埋めていかなければいけない理想と現実の時間の差、すなわちどのぐらいスピードが足りないのかを表すんだ。

 だから、まずはAとBの時間の差がどのぐらいあるかをチェックしよう。この差が大きければ大きいほど、スピードをつけなければいけないということだからね。あまり変わりなければ、つまりAでもBでも十分時間に間に合う人は、スピードはあるということ。その場合は、比較しなくても、パターンBで基礎力をチェックすればいい。

 ただし、<AとBのチェックポイント>で説明したように、時間だけ比べても、あまり意味がない。だから、正答率と時間の2つの面を関連づけた形で、4タイプに分けて説明するね。

 ・Aが8〜9割を超えてるのに、Bがそれに比べて1割以上低い人・・・時間をかければ問題は解けるのに、制限時間内だと思った実力が出ない、つまりスピード不足ということ。基礎力はあるんだけど、それが生かし切れてないってことだから、スピードが追いつけばいいだけなので、このタイプが一番楽かもしれない。普段からスピードを意識して勉強することがとっても大事になる。予習の時に制限時間を決めて解く練習をしたり、制限時間を決めた過去問演習をしよう。

 ・Aが8割以下の人で、Bがそれ以上にかなり低い人・・・全然正確に解く力も、スピードも足りない。つまり、まだまだ実力不足、勉強不足ということ。まずは、しっかりと予習と復習をした深い勉強をし、理解と知識を深めることが大前提。そうした質の高い勉強をできるだけ行い、質と量の両方を兼ね備えた勉強をしよう。そしてその後に、スピードの意識も加えて勉強するといいね。

 ・AとBが8〜9割を超えていて、両者の差があまりない人・・・スピードよく解いても出来るということなので、わざわざゆっくり解かず、速く解けばいい。というより、高いレベルで変わらない人は、かなりの実力があるので、時間もあまり変わらないはず。この場合は、センターレベルの基礎力は正確性とスピードの両面とも十分あるので、もっと高いレベルにどんどん挑戦していこう。

 ・Aが8割以下の人で、両者の差があまりない人・・・スピードはあるけれど、それに見合った正確性がないということ。スピードは足りてるから、少しスピードを落としてでも、まずは正確性を高めるようにしっかりとした勉強をすることが大事。と同時に、せっかくあるスピード力は落とさないようにも、心がけよう。

 そしてこの比較は、問題全体はもちろんだけど、大問ごとに比べてみると、もっと細かいところまで分かる。大問ごとの正答率と時間の差を比べ、両者を関連づけて考えよう。差が大きいほど、その大問自体の対策をしっかりと行い、またその大問に関係ある分野の実力を普段の勉強でしっかりと上げる必要があるからね。


<最後に>

 3つのタイプに分けてチェック方法を書いてみたけど、もちろんあくまで目安ね。また、センターだけで分かるのはあくまで基礎レベルのチェックだけなので、できたからって、もっと難しい試験でできるとは言えないからね。だから、もっと全体的な自己分析をしたい場合は、ここで行った結果にプラスして、模試などのデータも加えて考えるようにすると、もっとよく自分の実力が分かるよ。

 また、1年分だけやっても、分かりづらい場合があるので、何年分か解いてチェックしたい。ただし、行う年数が多ければ多いほどチェックの信用性は高まるけど、理想を言えばセンター対策には時間ををかけすぎずに高得点を取りたいし、直前の対策用に過去問を残しておきたいので、とりあえず1年分(本試か追試のどちらか)だけやって、納得いかない場合はさらに年数を増やすといいよ。あるいは、定期的に時間を空けて(例えば2ヶ月ごとに)行うと、実力の変遷が分かるのでお勧めだよ。

 あとこのチェックは、行う時期によって大きく変わってくる。本番の試験まで時間があればあるほど、正答率のレベルを下げて考えていい。また、最初はスピードよりも正確性が大事なので、時間も意識しないでいい。だから初期段階では、BよりもAをやろう(実力のある人は、いきなりBでもいい。また、実力に関わらず両方やって、Cによって差を見るのもいいけどね)しかも、できなくても気にしなくていい。適当に出来ちゃう方が危険だし、できなかったら今後できるようにすればいいのだからね。そして、時間が過ぎるにつれて、スピードが重要になってくるので、AよりもBの方が大事になるし、Cを加えていくといい。

 そこで、受験生の場合の、センターによる基礎力チェックを数回行う場合の効果的な例も書いておくね。

 ・受験勉強を始める前か始めたばかりの頃(3月の終わりか4月ごろ)・・・パターンBのチェックを1回して、まずは基礎力を正確性の面からどのぐらいあるかを把握しておく。この際は大問別に細かく見るよりも、問題全体、特に受験英語3本柱別に考えて、とりあえずその時点での自分の実力をつかむこと。その結果、あまりできなかった場合(7割以下)は中学レベルのおさらいから、そこそこできた場合(7〜8割5分)は大学受験の基礎レベルから、かなりできた場合(8割5分以上)大学受験の標準レベルから、前期は各分野をバランスよく勉強する。そして、前期の終わりごろ(夏休み前)にもう1度Bを行う。その結果や、受験開始時にやった結果との比較をすることで、夏休みに特に何をやればいいかをつかむ。

 ・後期の始め(夏休み明け)ぐらい・・・前期〜夏休みの自分の勉強の成果をチェックするために、AとBをそれぞれ1年分ずつ行う。この時点では、Bは厳しくとも、Aはしっかりと点数を取れるようにしておこう。さらには、両者の結果を比べたCを行い、後期以降の勉強の方向性を探ろう。今回は、大問別に少し細かめに分析し、後期に特に集中して勉強すべきポイントを、分野別に正確性とスピードの両面から、考えるようにしよう。

 ・試験がもっと近づいたころ(11月以降)・・・センターを受ける人はBを2回(余裕があればもっと)ぐらい行う。その際は、問題全体の時間配分や解く順番もしっかりと決め、しっかりと実力が出せるまで問題全体でシュミレーションすることが大事。それにプラスして、苦手な大問の対策も怠らないようにして、本番に備えよう。センターを受けない人は、センター分析をやるならBを1回、余裕がないなら本番の試験の対策に時間を回した方がいいね。その場合も試験が近いので、大問別に分析し、苦手な分野の対策に比重をより置いて勉強しよう。

 以上のようにやると、基礎力が段階的にチェックできるので、勉強の指針も立てやすいはず。ちなみに、高1や高2生は、時間は全く意識せず、正答率のレベルの目安をもっと下げて行うといいよ。結果を気にしないで、とりあえず受験は難しいんだってことが分かれば十分。また、大問別に差があっても、高1〜高2のうちは、各分野の勉強をバランスよくした方がいいからね。

 そしてこのページで説明したチェックの方法は、センター以外の一般入試の問題でも、試験前の過去問対策や、もっと前の段階なら志望校のレベルと自分のその時点での実力差を見るために、有効な手段でもあるんだ。自分なりにうまくアレンジしてやってみよう。

 とにかく大事なのは、正答率(正確性)と時間(スピード)の2つの観点から、問題全体と大問別に分けて考え、自分なりにしっかりと実力をつかむこと。そして、このチェックを行った時期も加味して分析し、分析結果にあった対策を立て、実行することが何よりも大事だよ!チェックだけしても役立てないと意味ないからね。