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がんばれ大学受験生-英語の勉強アドバイス!(全体)
受験英語とは?

 受験英語は、いろいろな分野に分かれるんだけど、どのように分かれるか、そして何が重要なのかをつかんでから勉強した方が能率がいい。そこでこのページでは、受験英語とはどういうものかについて書くので、各分野の勉強法に入る前にこのページをしっかり読んで、受験英語の全体像をつかもう!

<受験英語とはどういうものか?> <いろいろな分野> <受験英語の3本柱>


<受験英語とはどういうものか?>

 まずは、「受験英語とはどういうものか?」を考えてみよう。

 英語には4つの技能がある。それは、リーディング、ライティング、リスニング、スピーキングの4つ。本来、英語ができる人というのは、この4つの技能がバランスよく高いレベルで備わった人のことを言うんだ。(詳しくは「英語で世界・・・」の「英語の4技能」を読んでね)

 でも、受験英語はちょっと違うよね? そう、受験はこの4つの中で、圧倒的にリーディングの比重が高い。リーディングというと英文読解だけをイメージするかもしれないけど、文字で書かれた英語を理解する能力は全てリーディングに含まれるから、語彙や文法もその一部なんだ。もちろん、ライティング(受験の場合は英作文ね)を問う学校はけっこうあるし、リスニングはセンターでも出るし、本試験でリスニングテストが課される学校もある。(ちなみにスピーキングのテストがあるのは本当に限られた学校だけ)でもリスニングは出ない学校も多いし、ライティングだってちゃんとした記述の英作文を問う学校は減ってる。出る学校だって配点を考えれば、圧倒的にリーディングの比重が高いことは紛れもない事実なんだ。だから、受験英語に限れば、リーディング力の高い人が英語ができる人と言えるんだ。

 だからこそ、「受験英語」と「本当の英語」(コミュニケーションも含めた4技能がバランスよく身についた高い英語のこと。これからはそう呼ぶね)とは、かなりの隔たりがあるし、これが日本の英語教育の一番の課題だってずっと言われてきている。その反省からか指導要領も変わってきたし、受験もリスニングや会話的問題も増え、だんだんとこの2つの英語が統合されてきてるように見えるけど、実際はまだまだ別物と言ってもいいぐらいかけ離れてるのが現状。別物というと言いすぎかもしれないので、受験英語は本当の英語の一部を切り取って極端に焦点を当てたものというと、その関係が分かりやすいかもしれないね。とにかく、一致していないのは確かなんだ。

 でもこれはしょうがないんだ。大学受験は一斉テスト(大人数の受験生が一度に受ける試験)という性質上、物理的な問題から文字の英語が中心にならざるを得ない。音声のテストだと教室によって有利不利が出やすかったりするからね。英語面接なんて物理的にまず不可能だし。そして、文字英語の試験の場合も、大人数の解答用紙を短時間で採点しないといけないから、時間がかかる英作文は出しづらい。その結果、リーディングがメインになるのは自然のことなんだ。

 予備校以外でも英語を教えている僕の立場としては、本来は本当の英語力を身につけて欲しい。受験英語だけできても、実際の場面で使えるかどうか分からないからね。ただし、受験生は限られた時間内に志望校に合格するだけの力をつけないといけない。だから、理想ばかりでなく、現実も十二分に加味しないといけないんだ。

 現実とは、大学受験勉強の間は大学合格に必要なものを中心に学ぶということ。受験英語の場合はたいていはリーディングが中心だから、リーディング力アップに役立つことを中心に学び、必要の応じて他の技能の勉強も加えることが大事になるよ。現実で犠牲にしてしまった分は、受験勉強で身につけた力を大学入学以降に本当の英語に広げていけばいい。それならば現実と理想を一致できるからね。


<いろいろな分野>

 さっきは英語の4技能という観点から受験英語を考えたので、次はもっと小さい視点で分析してみよう。

 受験英語は先ほど言ったようにリーディングがメイン。だから文字英語を理解するのに必要な力である

  1.語彙(単語・熟語・構文などの知識)

2.英文法(語法も含む)

3.英文読解

の3つに大きく分かれる。もちろん学校によっては、

  4.英作文(いろいろな問題形式に分かれる)

5.その他(会話問題、発音・アクセントなど、かなりの学校で少し問われるもの)

6.特殊(リスニングなどの音声面のテストや、自由英作文など、通常の受験勉強では対応しづらいもの)

の力も問われる。このように受験英語は、大きく6つに分類できるんだ。また、それぞれの中も分類することができる。僕はこれらの分類された一つ一つを分野と呼んでいる。

 もちろんこれらは単独で設問として問われる時もあれば、組み合わせて問われる時もある。問われる、問われないは別にしても、相互に深く関係があることは間違いない。ただ、全部を一緒に勉強するとなかなか力がつきづらいから、それぞれの分野を別々に勉強するのが大事なんだ。同じ英語とはいっても、分野によって性質やポイントがかなり異なるから、別々に勉強した方が力がつきやすいからね。もちろんそれと同時に、次第にお互いを結び付けていくのも大事。複合的に問われるからだけではなく、それぞれの分野は相互に関連があるからね。

 この別々に勉強しつつも相互に結び付けるというのは、一見矛盾しているように感じるかもしれないけど、全然そうじゃない。例えば、何か1つの大きなものを作ろうとした時に、いっぺんに作ろうとするよりも、それぞれのパーツを作って最後に組み立てた方が能率がいいでしょ? これと同じ原理。受験の場合は時間が限られてるから、余計に分野別にポイントを絞って勉強してそれぞれのパーツを作り、それを次第に関連させて英語力という大きなものを作ることが大事なんだ。

 そしてこれは、自分の弱点を効率よく補強し、全体的な英語力をバランスよくつける上でも大事なんだ。英語が得意とか苦手とか言っても、全員が同じように得意だったり苦手だったりするわけじゃない。同じ人でも、分野別に得意なポイントや苦手なポイントがあるのが普通なんだ。だから、分野別に自己分析をして、自分に特に足りない部分を集中的に埋めるような勉強が、とても大事になってくる。そうすることで、受験に対応できる全体的な英語力が身につくんだ。

 だから、この分野別に学んでそれを次第に統合していくという勉強姿勢は、能率のよい勉強をする上での重要なポイントになるからね!


<受験英語の3本柱>

 受験英語がいろいろな分野に分かれることはこれで分かったと思う。じゃあ、具体的にどのように勉強すればいいのか?について考えよう。

 大学によって重点は異なるとは言え、やはり配点が高いのは「英文読解」。一斉テストの性質上リーディングが中心になるといったけど、その中でも英文読解は人による出来不出来に差があるし、総合力を問われるものなので、出題者としても受験生の力を図りやすいから、自然と配点が高くなるんだ。だから、英文読解ができないと、英語を得意教科にすることは不可能。

 でも、だからといってやみ雲に英語の長文ばかり読んでいても、時間がかかる割に効果が薄いので、特に最初はある程度計画を立てないといけないんだ。詳しくは「英文読解の重要性と必要な力」で説明するけど、簡単に大事なポイントだけをまとめるね。

 まず、テストの英文読解は文章を読み、設問に答えるものだけど、文章の構成要素となっている文が読めないと始まらない。だから、英文を理解するための武器として、ある程度の語彙力と文法力がないと苦しいんだ。ある程度とは、最低限中学レベルのものと、できれば大学受験の基礎レベルのものね。

 ということで、まずは「基本語彙(特に単語)」「基本文法の理解(特に文の作りに関わる重要単元)」を固めて、土台を作ることが大事! そして土台が固まったら、英文読解の勉強も始める。その際、まずは短くて簡単な文や文章から始めるといいよ。その後は、読解の勉強を徐々に長くて難しいものへとレベルアップしていきながらも、語彙や文法ももっと高いレベルのものを学んでいく。この3つはそれぞれ別に学びながらも、実は相互に関連性が深いから、次第に関連づけて学べるようになってくる。そうすることで、バランスよくリーディング力をつけるんだ。

 受験生の場合は学校や予備校の授業で最初からこの3つを勉強するし、時間もないので最初から3つを同時進行で学ぶ必要もあるけど、時間があるなら、あるいは本当に英語が苦手なら、基本語彙と基本文法が固まるまで読解をやらなくてもいいぐらい。土台もないのに読解をやっちゃうと、読解に対する苦手意識がついてしまって、それが後々で悪影響を及ぼすからね。土台を学ぶのは、長くても1ヶ月でできるから、それから読解に入ったって十分間に合うんだ。

 事実、僕が家庭教師などで個別に教える際(特に英語が苦手な生徒の場合)は、最初に読解に関係のある重要な文法だけをしっかりと教える。同時に、宿題で中学レベルの語彙力をつけるようにさせる。その後に読解を教え始めるんだけど、その時もそれまでで学んだ文法と結びつけて教えるし、最初に教えなかった文法の単元を適時交える。語彙は受験生が自分で覚えなきゃいけないけど、読解を教える際に出てきた語彙を覚えやすくするようなコツも伝授する。そのようにして文をまずは読めるようにし、その後はもっと高いレベルの読解に徐々にステップアップしていく。具体的には、文章の読み方を教えたり、設問の解き方を教えたり、スピードアップの方法を教えたりする。それらをまとめ合わせた結果、最終的にバランスのよい英語力を身につけるように指導してるんだ。このせいか、最初は本当に英語が苦手だった生徒も、次第にできるようになって、最終的には英語が一番得意になることが多いよ。

 予備校の授業で大人数に教える際は、カリキュラムがあるし、全部の授業を担当するわけじゃないからこうはできないんだけど、この土台作りから読解を始める方法については授業中の話やプリントなどで指導するようにしてる。特に教えている授業の分野に関しては、その分野別に勉強法を指導するだけじゃなく、受験英語全体から見たその分野や授業の位置づけや、他の分野と関連させる方法についても教えるようにしてるんだ。授業外で相談に来た生徒には、その授業で配らないプリントを渡すなどして、もっと詳しく教えたりもする。だからみんなも、積極的に自分の習っている先生に相談に行くといいし、このHPの掲示板などで相談するといい。また、特に英語が苦手な人は、授業以外でこの土台作り(簡単に言えば中学の復習)を各自で行おうね。そうすれば、授業ももっとついて行きやすくなるはずだよ。

 とにかく、「語彙」「文法」「読解」の3つをバランスよく勉強することが、受験英語を効率よく学ぶ上で一番大事なことなんだ! この3つを僕は、「受験英語の3本柱」と呼んでいる。この3つは、どれが欠けてもだめだよ。それぞれ単独に、あるいは複合して問われるし、配点も高いから、できないと致命傷になるからね。どれも高いレベルにならないと厳しいし、バランスも大事から、その中で自分が苦手にしている分野により重点を置き、バランスよく勉強していこう。

 さらに、この受験英語3本柱は能率のよい勉強の方法として適しているだけでなく、受験英語全体の土台となるものでもあるんだ。つまり、この3つが固まっていないと、4〜6をできるようにするのは難しいし、逆に3つが固まってれば、4〜6は力がつきやすいんだ。例えば、英作文はその土台となる語彙力と文法力がないと厳しいのはもちろん、読解の英文(や文法の例文)で表現のストックをためることが大事。会話問題は一種の読解問題だし、発音などは単語を覚える時に同時にやるべきこと。リスニングは音声を聞き取る能力だけでなく、聞き取った英語を理解する能力が大事だけど、この理解力は読解の勉強で養うことができる。自由英作文は、英作文の1種だからさっき英作文で説明したことがまず大事だし、明確な論旨展開で自分の主張を書く力をつけるためには、読解で論説文を読んで文章の型を覚えることがとても役立つ。

 このように、3本柱は他の分野の土台にもなるんだ。もちろん、他の分野はそれぞれ勉強しないといけないけど、時間がない受験生は、重要度が少ない他の分野の勉強に、あまり時間をかけられない場合が多い。だからこそ受験英語の勉強では、配点が高く、しかも他の分野の土台になる3本柱をしっかりと勉強することが大事になってくるんだ。他の分野も、3本柱をある程度以上固めてからの方が力がつきやすい場合も多いよ(リスニングだけは音声聞き取り能力を高めるためにも、できるだけ早い時期に始めた方がいいけどね)。

 つまり、受験英語の勉強は、語彙、文法、英文読解の3本柱を中心に、その他の部分を付け加えて勉強してていくことが、一番能率のよい方法なんだ! このことをしっかりと認識して勉強しようね。