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がんばれ大学受験生-英語のアドバイス!(分野別)
リスニングの重要性と必要とされる力

 リスニング(ヒアリング)は、出題される学校は限られているけど、センターでも導入されるし、コミュニケーション能力が求められる現代においては、今後ますます大事になってくる分野。でも、どのように対策すればいいのかが分かっていない人がとても多い。このページでは、リスニングの重要性と必要とされるについて書くので、まずはここを読んでから、次に「リスニングの効果的な勉強法」を読もう。

<リスニングの重要性> <リスニングで必要とされる力>


<リスニングの重要性>

 従来のような文字英語、特にリーディング中心の英語教育では、コミュニケーション(英会話)の能力が低くなってしまうという反省から、中学高校の英語の授業でも、オーラルコミュニケーションの授業が増えてきた。その流れから、大学受験でもリスニングを取り入れる学校が多くなってきているんだ。それを一番示すのが、2006年度からセンター試験でもリスニングが導入されるようになったこと。これによって、今後は大学受験全般においてもますますリスニングの重要性が高まるのは間違いない!

 大学でも教えている英語教師という立場から言わせてもらうと、この傾向はすばらしいことだと思う。大学の授業では英会話やリスニングをやることが多いのだけど、苦手な大学生がほとんどだからね。大学に入る前にリスニング力を少しでもつけた大学生が増えれば、大学の授業をもっと有益なものにできるはず。また僕自身も、受験勉強でリーディング力はついたけど、リスニングを全然やってなかったから、大学以降のネイティブの先生の授業についていけなくて、コンプレックスに悩んだ時期があった。だから、リスニングテストが受験で増え、中高生がもっとリスニングに力を入れるようになれば、4技能がバランスよく備わった本当の英語力がある日本人が増える可能性は高まるはず。それが、今後の国際社会で必要とされる人間だしね。

 ただし、現在の状況でこれが可能かといえば、大きな疑問が残る。説明すると長くなるので簡単にだけ言うけど、一言で言えば中途半端なんだよね。指導要領の変化で確かにコミュニケーションを重視する授業が増えたけど、それを効果的に行うために必要なもの(授業数・教員・設備・方法など)がまだまだ備わってない。その結果、従来のリーディング力(やライティング力)も、新しく目指しているコミュニケーション能力も、どちらもついていない生徒が増えている。その結果、日本人の英語力は、全体的に見ても実は下がってるんだ。これは僕だけの感想だけでなく、多くの大学の先生方もおっしゃっていることだし、各国を比べたTOEFL成績など、データの中にも現れていること。

 そしてこの原因は、受験制度にもある!本当にコミュニケーション重視にするなら、大学受験でも英語面接をすべきだけど、これは現実的に無理がある。だったら、せめてリスニングテストをして音声英語の理解力だけでも図ればいいのだけれど、設備面で難しい面画あるだけじゃなくて、リスニングがあるだけで敬遠する受験生が多いから、受験生を集められる自信のある大学以外ではこれも難しい。だから多くの学校では、代わりに会話問題を出題している。でも、会話は音声で理解できてこそ意味があるのであって、文字にしたら簡単すぎて、テスト全体の質が下がる。しかもその分、リーディング力を一番図ることができる英文読解の配点も少なくなるから、受験生全体のリーディング力も下がっちゃうんだ。だから、やるんだったら、大学受験全体でもっとリスニングのテストを課す学校が増えるべき。

 また、受験でリスニングテストを課したとしても、テストのリスニングは実はテクニックでかなりごまかせてしまうから、実際の場面でも使えるリスニング能力があるかどうかを図りづらい。特に受験の場合は、あまりに難しいとテストにならないので、かなり簡単なものになってしまう。その結果、ちょっとした対策だけでごまかせちゃうんだ。だから、小手先のテクニックではできないようないいリスニング問題を作らないと、受験生がリスニングに力を入れなくなってしまうから、リスニングを受験で課す意味が下がってしまうんだ。

 さらに、リスニングの勉強法自体がリーディングほど確立されていないのも問題の一因。このことは、受験生だけでなく、指導する教師の側にも言える。だから、先生に相談しても、「とにかく英語を聞きなさい」とか、「問題集を自分でやりなさい」とかいう、適当なアドバイスが横行しているのが現状。また問題集なども、付け焼刃的なものや、テクニックばかりを重視したものがかなりあるんだよね。もちろん、テストのリスニングの場合はテクニックも大事だし、正直言うと大学受験のリスニングのほとんどはテクニックで何とかなっちゃうんだけど、それにだって限界があるから、テスト以外で役立つリスニング力をつけないといけない。

 要するに、テストのためのリスニング対策には危険があるということなんだ。このことを知らないと、テスト対策ばかりやってテストができるようになったとしても、実際の場面で聞き取ることができないという妙な現象も生まれてしまう。そうなると余計に、大学受験勉強は実際には役立たないという間違ったイメージが大きくなってしまうんだ。そうならないためにも、生徒がどのようにリスニング対策をするか、そして教師が指導をどのように行うかが、とても大事なはずなんだけど、まだまだ不十分なのが現状。こんな状態ではリスニング力はもちろん上がらないから、生徒はますますリスニングを敬遠しがちになってしまうんだ。

 だから、英語教育をどのような形で進めていくのかを考える上で、大学受験のテスト形式をどのようなものにするかは、日本人全体の英語力を上げるためにとても重要なんだ。中学高校や予備校の授業と大学受験は、密接に関係があるからね。だから、現在の明らかにリーディングに偏ったテストではなく、最近出題が減っているライティング(もちろん自由英作文が好ましい)をもっと増やすべきだし、スピーキングは無理としても、せめてリスニングだけでももっと多くの大学入試で導入すべきだと、僕は思っている。僕と同じ意見を持った大学の先生方がいるからなのか、受験よりも総合的な力を図れるTOEICやTOEFLのような外部試験を代わりする学校が増えているけど、単純に頼ってしまうのも非常に問題がある。受験は、必要とする生徒を集められるように各大学が独自に工夫して作るからこそ価値があるし、多様性が生まれるわけだからね。だから、各大学が大学受験をどのように実施するかは、英語教育のカリキュラムを変革するだけじゃなく、もっと重要視しないといけない問題なんだ。

 批判っぽくなってしまったけど、これは言うほど簡単なことじゃないことも、いろいろなところで働かせてもらっている僕はもちろん分かっている。学校教育は、受験に関係ない学力をつけることと、受験にも対応できる力をつけることの、両方を行わないといけないからね。そもそも、勉強は学校で全部を教わるものではなくて、それを基に生徒各自が自主的にやらないと、身につくものではないから、学校教育や受験をどうするかだけで片付く問題じゃない。でも、やっぱり学校での英語教育をどうするかは、とても大事な問題であることは間違いない。そしてこの問題は、みんなが気づいているものだから、数多くの熱意のある教育関係者達が、英語教育を少しでもよくしようと奮闘中。だから、今後は少しずつよくなっていくはず。

 僕も微力ながら、実際に教える授業、このHP、作成した書籍などで、少しでもそれに貢献できるようにがんばっている。僕自身も、大学以降にリスニング力をつけようとする際相当に苦労したから、リスニングが苦手な多くの日本人英語学習者の問題点が分かるし、僕達に合った学習方法も次第に分かってきた。それを生かして大学の授業では、試行錯誤しながらリスニングを教えている。その方法に関しては、このHPの「英語で世界・・・」「リスニング」などでも公開しているので、参考にしてみてね。

 また集大成として、2005年3月に『英語リスニングに強くなる』という本を作成したんだ。この本は大学受験専用ではなく、もっと幅広く英語学習者全体をターゲットにしたものなので、ぜひとも大学に入学したらすぐに使って欲しい本。(実を言うと、大学の授業のテキストにしたいという意図もあって作成したもので、実際に授業でも使ってる)この本を使えば、昔の僕のように大学での英語の授業を無駄にしてしまうこともなくなるからね。リスニングはもちろん、他に技能も含めた英語学習全体について幅広い視点から論じてあるから、リーディング中心に学ぶことが多い大学受験生には、きっと役立つはず。リスニングに関しては、前半の学習ガイド編に、日本人英語学習者が数多く抱える問題点を基に、リスニングに必要な力と、本当に使えるリスニング力アップのための方法を詳しく書いてあるから、何をどのようにやればいいかが分かる。また後半の実践編では、学習ガイド編で学んだことを、ジョークや話題のトピックを基にしたダイアログや文章の音声CDと、スクリプトと詳しい解説を使って、分かりやすく段階を追って実践できるように構成したので、楽しくリスニングできると思うよ。

 もちろん、この本は大学受験生のリスニング対策にも役立つ。本に書いてある方法を実践することで、本当に役立つリスニング力の基礎ができれば、大学受験のリスニングなんて超楽勝だからね。ただし、あまり高いレベルのリスニング力を大学受験で必要とされない受験生は、学習ガイド編だけ読んでリスニングで何が大事かをつかみ、過去問や受験リスニング用の問題集で対策することを勧めるよ。そうすれば、大学受験のためのリスニング対策を能率よく行うことができて、現実的だからね。実践編は、合格後の楽しみにとっておき、大学入学以降でもっと幅広い英語力をつけるための土台作りに役立てよう。一方、高いレベルのリスニング力が受験や大学以降で必要になる受験生は、受験用のリスニング対策をする前に、実践編も含めてこの本をやって欲しい。そうすれば、テストのためのリスニングの基礎ができるからその後の対策に役立つだけじゃなく、大学以降にも直結するリスニング力がつくからね。さらに、高1高2生はまだまだ受験まで時間的な余裕があるから、テストのためだけにリスニングをするのは非常に危険なので、学習ガイド編と実践編の両方をやってみよう。実践編の中には難しいものもあるので、とりあえずこの本でリスニングの方法だけつかんで、もっと簡単なリスニング本で実践してみるのもいい方法だよ。

 この本は、僕のようなコミュニケーションのための英語力がつかなくて悩んでいる人を少しでも救いたいと思って、思い入れを込めて一生懸命書いた本だから、少しでも多くの人に使って欲しいんだ。だから、別に買わなくてもいいから、「前書き」「第2章」「第5章」の3つだけでも、書店で立ち読みしてみて!「前書き」には、本のコンセプトや内容を紹介するだけじゃなく、僕自身がいかにしてリスニングコンプレックスを解消できたのかが書いてある。「第2章」の「リスニングに必要な力と効果的な学習方法」には、リスニング学習の根本となる考え方が詳しく説明してある。そして「第5章」の「テストのためのリスニング対策」は、テストのためのリスニング学習の危険性や、リスニングテスト中のポイントについても詳しく書いてある。またその章には、大学受験生がリスニング対策をする際の注意点も書いてある。だから、その3つはぜひとも読んでみてね。大きな書店に行けばあると思うから。

 (『英語リスニングに強くなる』についてもっと詳しく知りたいヒトは、ここをクリック!)

 僕は、自分自身がリスニングに苦しんだ経験があるから、リスニングが苦手な人の気持ちが分かるし、大学・予備校・語学学校などでリスニングの授業を数多くやっているし、書籍も書いているぐらいだから、他の先生方よりも、リスニング学習の際の問題点や解消法にも詳しいと思う。「がんばれ大学受験生」のリスニング学習法では、大学受験生の現実を踏まえた対策を紹介するけど、みんなには僕が挙げるいろいろなアドバイスを参考に試行錯誤し、それを大学以降でも役立てていって欲しい!また、大学入学以降では、「英語で世界・・・」『英語リスニングに強くなる』を参考に、リスニングを重視した英語学習をしよう。そうしないと、本当の英語力は身につかないからね。

 いろいろな問題は確かにあるけれども、それは今後みんなで解消していけばいいことだから、リスニングを大学受験に取り入れること自体は、とてもいいことなんだ。受験生とっては負担が増えるけど、将来を考えれば、少しでも若いうちに音声英語に触れておくことは、負担どころか、大きな財産になる!だから、ぜひリスニングを英語学習に積極的に取り入れてね。


<リスニングで必要とされる力>

 リスニングで大事な力は、音声面(英語を正しく聞き取る能力)と理解面(聞き取った英語を日本語にしてでもいいから理解する能力)の2つに大きく分けられる。しかも、音声英語はすぐに消えてしまうから、両者の切り替えが瞬時にできないといけない。つまり、この2つの面の力が一体化することが大事なんだ。(この音声と理解の一体化に関する詳しい内容は、「英語で世界・・・」「リスニング」『英語リスニングに強くなる』の第2章を読もう)だからテストのリスニングにおいても、音声面と理解面の2つの力を一体化させることが必要になる。

 ただし、リスニングをテストだけに限れば、音声面よりも理解面が圧倒的に大事!テストは設問が解けないと意味がないのだから、設問を解くための重要なポイントを流れてくる音声から理解できる能力が大事だよね?そのため、完璧に英語を聞き取れたとしても、それが理解できなければ答えは間違ってしまう。逆に、少ししか音声は聞き取れなくても、ポイントさえ理解できれば解ける。特に大学受験のリスニングテストの場合は、少し理解できるだけで、消去法などを駆使すれば、解けちゃうものが実際には多い。だから、理解面が大事なんだ。

 実は、これこそがテストのためのリスニング対策に偏った英語学習の危険性。だって、少し分かるぐらいでは、実際の場面では役立たないでしょ?また、リスニングテストはあらかじめ用意された設問に答えるけど、実際の場面では設問などもちろん用意されていない。だから、自分で問題意識を持って聞き、重要なポイントを覚えておくことが大事なんだ。これができないと、リスニングのスコアがよくても、実際の場面では役立たないというジレンマが生まれる。実は、僕もこれをずっと体験していたんだ。

 そのため、本来であれば、設問がないリスニングをやることでテスト以外でも役立つリスニング力をしっかりとつけて、それをテストに生かすようにすることが理想的。ただし、理想ばかり追っていると点数が伸びないので、現実問題としてテストで高得点を取るためには、やはり過去問や問題集をうまく使って、設問を解く練習をできるだけ多くこなす必要がある。つまり、理想と現実を踏まえたリスニング対策をすることが大事なんだ。(ちなみにこのことについては、『英語リスニングに強くなる』の第5章に詳しく書いてあるよ)

 ただし、実際のリスニングの場面でも、相手の言っていることを理解するだけならば、音声よりも理解が大事という点では、テストのリスニングと共通しているんだ。簡単な例を出すと、”What do you want?”と言われた時、しっかりと聞こえるのは”What”と”want”で、”do you”はそれに比べると聞きづらいはず。これは、英語には強弱によるイントネーションが生じるためなんだ。だから、”What do you want?”という音声を完璧に聞き取って、「あなたは何が欲しいですか?」と理解できなくても、”What”と”want”だけ聞き取れて「何+欲しい」と理解すれば、十分相手の言っていることは分かる。それどころか、スピードが大事なリスニングにおいては、理解に限って言えば、前者よりも後者の方が実用的ですらある。実は、この強弱によるイントネーションに注意して聞き取れた英語から、きれいな日本語訳にこだわらないで重要ポイントだけを理解するのは、リスニングの最大のコツなんだけど、理解するだけなら音声よりも理解が大事という意味が、この例で分かったと思う。

 もちろん、正しく英語が聞き取れるからこそ正しい理解ができるのだし、上の例だって”What”と”want”が聞き取れたから理解できたんだけど、音声を全部完璧に聞き取れなくても、コミュニケーションに支障がないぐらいの理解は可能なのは間違いない。それでは、なぜ音声面も鍛えたいのか?それは、理解する時に役立つ以上に、自分が話す際、すなわちスピーキングにリスニング学習を役立てたいからなんだ。さっきの例で言うと、自分が相手に「何が欲しいのか」をたずねる際、”What want?”だけで十分だろうか?もちろん通じることは通じるけど、これでは誤解が生じる可能性もあるし、やはりできるだけ正しく”What do you want?”とたずねたい。また、発音・アクセント・イントネーションが少し違うだけで、全く伝わらないということもよくある。だから、音声練習などもやって、音声面の強化をしたいんだ。また、音声練習をすることが自分が話す際の表現のストックを蓄積することにもつながるから、音声面を重視したリスニングは欠かせない。

 でも、リスニングテストでは、スピーキングの能力を問われるわけではない。だから、リスニングテストに限れば、理解の方が大事なんだ。特に、時間が限られている大学受験生の場合は、理解面強化を中心にして、その中に理解するための音声面強化を混ぜる、という勉強方針が有効になる。しかもその勉強は、英会話で重要な相手の言っていることを正しく理解する能力にもつながってくる。もちろん、あまりにテクニックに走って問題が解ければいいという聞き方はまずいんだけど、リスニングテストの勉強を実際の場面でも役立つリスニングにつまげることは、姿勢次第では十分可能なんだ。

 もう1つ、リスニングのテストでは、実はリーディング力が大事なんだ。これは、先ほど説明した理解面が大事ということと、まず関係がある。文字で書かれた英文を理解できないものは、音声で聞いたって理解できるはずがない。しかも、リスニングの場合は瞬時に理解しないといけないから、音声と同じスピードで読みかえらずに読んでも重要なポイントを理解できるリーディング力がないと、リスニングはできるようにならない。ということは、その土台となる語彙力も必要だし、前から正しいかたまりごとに読むための文法力も必要になる。また、会話系のリスニングの場合は、会話表現の知識も必要だし、会話の流れを理解できるリーディング力が必要になる。さらに、文章系のリスニングの場合は、リーディング学習で英文の文章構成の仕組みを学んでおくことが、とても役に立つ。

 だから、普段のリーディングの勉強をしっかりとやって、理解力をつけることがとても大事なんだ。それを音声に結びつけると、短時間でリスニング力がつきやすいし、リーディング中心の大学受験英語の勉強の本質にも合っているからね。リスニングの場合は、音声だから難しく感じるのであって、英語自体は決して難しくない。目安で言うと、中学から高1レベルの文章を音声で流すのが普通。語彙のレベルも低いし、文構造だって複雑じゃない。なので、簡単なものを一読である程度以上理解できるリーディング力をつけよう。もちろん、文字で理解できても音声が文字とつながらないとリスニングはできないので、その土台作りのために、そのレベルの単語を音声で聞いても瞬間的に理解できる単語力も必要だよ。テストのリスニングの場合は、設問を解くためのポイントとなる単語が理解できるだけで、かなり解けるからね。

 さらに、リスニングの学習をする際も、ただ音声を聞きまくったり、問題を解きまくったりするのではなく、スクリプト(音声を文字化したもの)をうまく使って、リーディングと結びつけたリスニング学習をすることが、とても有効なんだ。このことについては、「リスニングの効果的な勉強法」で詳しく説明するね。

 リーディング力が大事という理由のもう1つは、リスニングテストのほとんどの設問が、文字で作られていること。だから、音声が流れる前に設問や選択肢をスキムする能力や、聞き終わった後に設問を読んで瞬時に理解し答える能力が、つまり速読の能力がリスニングテストの点数を大きく左右するからなんだ。

 本来であれば、音声を聞いてから設問を読んで、頭の中に残っている理解度を根拠に解くのが理想。実際の場面でのリスニングに近いからね。ただしこれだと、たいていの受験生は厳しいから、現実的には、音声が流れる前に設問や選択肢にすばやく目を通し、設問の意図や重要ポイントをつかんでおくのが、非常に有効なテクニックになる。そうすれば、ポイントを意識しながら音声を聞けるから、設問が解きやすいからね。これがスキムの能力。また、このスキムをするためには、音声を聞き終わった後できるだけ速く答え、つぎの問題をスキムするだけの時間的な余裕を作らないといけない。だから、音声が流れる前後に、設問や選択肢を瞬時に理解するリーディング力が重要なんだ。この力はリスニングの問題演習をする際に練習してつけるといいね。

 まとめると、大学受験のリスニングで必要な力は、リスニングに必要な2つの力のうち特に理解面。特に、設問を解くためのポイントを音声で聞いて理解できる能力が大事。音声面は理解するための最低限の音声聞き取り能力があれば、とりあえずは大丈夫。さらに、簡単な文字英語を瞬時に理解できるリーディング力、特に設問を解く際のスキムの力も必要だよ。