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がんばれ大学受験生-英語の過去問利用法!
演習と分析の方法

 このページでは、英語の過去問の演習と分析の方法について書きます。このページで効果的な活用法を理解し、過去問に挑戦していこう!(「演習と分析の意味」「時間配分と解く順番」をまだ読んでない人は、先にその2つを読んでね)

<基本プロセス>
<大問ごとの時間配分と解く順番のメモ>
<分析のポイント>
<時間&分析メモ>
<データベースを活用しよう>


<基本プロセス>

 ここからは、具体的に過去問を使った演習と分析の方法について説明するね。まずは基本となるプロセスを、段階ごとに説明しよう。

  1.問題を赤本などからコピーする。

 本番と同様に書き込みをしながらでないとやりづらいし、普段の英語の勉強と同じように、書き込みをしたもの(コピー)としていないもの(元の過去問)の両者をうまく使って復習しないと能率が悪くなるから、必ずコピーすること。拡大コピーするとやりやすい。予備校などで赤本などを借りる場合は、問題を2枚コピーすること。

  2.問題全体をざっとみて、「大問ごとの時間配分と解く順番のメモ」を作成する。

 問題に取り掛かる前に、「大問ごとの時間配分と解く順番のメモ」を作成しておく。本番の試験は、家でやる過去問演習よりも、思わぬ時間がかかってしまうので、全体の制限時間は少なめにして考えるとよい。(メモに関しては詳しくは、(<大問ごとの時間配分と解く順番のメモ>を参考にしよう)

  3.本番のつもりで、真剣に問題に取り組む。

 2で設定した制限時間内で必ず解き終わるよう、本番を十分意識して、集中して解くこと。(終わらなかった場合は、そこで打ち切った方がよい)また問題を解く際に、大問ごとにかかった時間を、2で作成したメモに書き加えていくこと。

  4.問題を解き終わったら、解説を基に答え合わせと復習をし、できる限り吸収する。

 これは普段の勉強と同じなので、勉強法は「英語のアドバイス(分野別)」などを参考にしよう。間違ったものやまぐれでできてしまったものを中心に復習するとよい。またそのような問題は、書き込みをしていない方の問題にチェックをしておくか、紙に問題番号だけを書くなどして、時間を空けて再度解くことも必要。

  5.答え合わせした結果を基に、自分なりに分析する。時間配分がうまくいかなかった場合は、「大問ごとの時間配分と解く順番のメモ」を使って修正する。

 分析は、問題全体と大問別の2つの視点、さらには正答率とスピードの2つの視点から総合的に考えることが大事。詳しくは<分析のポイント>を参照。時間修正については<大問ごとの時間配分と解く順番のメモ>を参照。

  6.苦手な大問があった場合は、その対策をする。

 苦手な大問だけを以前の過去問から探し、何年も解いてみるのが手っ取り早い対策手段。ただし、問題全体を通して解きたい場合は残しておきたい。その場合は、類似問題を問題集や他の大学や学部の過去問などで探して勉強するのがお勧め。さらに、苦手な大問に関係のある分野を、今まで勉強したもので復習するのも有効な対策になる。

  7.再考した「大問ごとの時間配分と解く順番のメモ」を元に、別の年の問題を演習する。

 つまり、ステップ1に戻るということ。

 以上が基本的な英語の過去問演習と分析のプロセス。このような効果的な段階を踏んで過去問を使わないと、ただの練習と答え合わせになってしまって、意味がなくなるからね。


<大問ごとの時間配分と解く順番のメモ>

 上の基本プロセスの2と3と5で出てきた「大問ごとの時間配分と解く順番のメモ」(時間メモ)についての説明が不足しているので、今から説明するね。

 「演習と分析の意味」でも書いたように、英語の過去問を利用する上で一番大事なのは、大問ごとの時間配分と解く順番を決まるためのシミュレーション。そして、シミュレーションをより効果的に行うために大事なのが、この時間メモなんだ。

 「時間配分と解く順番」で説明したように、試験が始まってすぐに問題を解き始めるのはまずい。問題全部を見渡して、大問ごとの時間配分と解く時間をまずは決めることが必要なんだ。これをすることで、時間切れを防げるし、問題を効率よく解けるようになるからね。ただし、大問ごとの時間配分と解く順番を短い時間で決めるのは、慣れないとかなり難しい。

 そこで役立つのが過去問。実際の入試では、過去問でだいたいの問題量や形式を予想できるから、前もって時間配分と解く順番を決めておくことができる。もちろん年によって問題量や形式は違うのでそのままは使えないのだけれど、試験が始まってからざっと問題全体を見て、前もって決めておいたものに少し修正を加えればいいだけなので、すぐに決めることができる。それなら、考える時間が全体の制限時間に支障をきたすこともなくなるんだ。

 前もって決めておいた時間配分と解く順番は、メモに書いて試験会場に持って行こう!もちろん試験開始後に机の上に出していたらカンニングになるので、テスト前の休み時間に確認して、テストが始まる前にしまうこと。そして、試験が始まったら全体の問題を確認し、メモを見て覚えておいた時間に若干の修正を加え、それぞれの大問の上に目安となる大問ごとの制限時間を書いてから始めるんだ。順番は書かなくても覚えられるので、その順番通りに進めるといい。そして、本番の試験に持っていくためのメモを作るために、基本プロセスで出てきた「大問ごとの時間配分と解く順番のメモ」が役立つんだ。

 本番の試験で自分に一番合った時間配分と解く順番の目安をあらかじめ決めておくために、過去問演習の際にはメモを取ろう!つまり、基本プロセスの2の時に、今から説明することをやるんだ。やり方は簡単。何でもいいから紙を用意して、大問ごとの予定時間を左に書き、その右に実際にかかった時間を計って書いていくんだ。また、解く順番もメモの下に書いておいて、解きながら修正を加えた場合のみさらに書き加えよう。実際の試験では時間のロスになるからやらないでいいけれど、これをやることで分析がしやすくなるから、過去問演習の時には必ずやろうね。

 メモを作成する際に、1つ注意しなければいけないことがある。それは、全体の制限時間。本番の試験では緊張感や慎重に解こうという意識から解くスピードがかなり鈍りがちだし、マークを塗る時間もあるので、思った以上に時間がかかってしまう。だから、家などで前もって行う過去問演習の際に制限時間ぎりぎりで終わるようだと、本番の試験では間違いなく時間切れになってしまう。そこで過去問演習の際は、実際の制限時間よりも短く設定して時間配分を考え、実行することが大事なんだ。だいたいの目安は、90分の試験ならば10分は減らして解きたいところ。

 そして5にあるように、結果を元に分析をし、うまくいかなかった場合は時間配分と解く順番を修正し、新たな紙にそれを書き出しておく。そのメモを使って、別の年の問題演習をやるんだ。こうすることで、だんだんと自分に一番合った時間配分と解く順番を見つけることができる。そして、最終的に作ったメモを試験会場に持っていって、直前の休み時間にチェックするんだ。

 以上が、「大問ごとの時間配分と解く順番のメモ」の作り方。本番の前にしっかりとシミュレーションをし、メモを作って、万全の体制で臨もうね。


<分析のポイント>

 「大問ごとの時間配分と解く順番のメモ」では、分析を基に修正することが大事だと言ったけど、「それじゃあ分析ってどうやるの?」という疑問が当然出てくると思う。この分析のやり方は問題によって違うし、問題が同じでも人によって全く違ってくるから簡単には説明できないから、ここでは幅広く当てはまる重要なポイントについてだけ説明するね。

 分析する際は、問題全体と大問別の2つの視点から別々に考えることと共に、両者を結びつけて考えることが一番大事!そしてその分析は、英語試験で必要とさせる正確性とスピードの両立を図るために、正答率と時間の両面から考えることが必要なんだ!

 入試では、いろいろな大問が組み合わされて出題される。だから、まずは問題全体で分析することがまず大事。目標点(英語で何点取る必要があるか)は、他の教科との配点のバランスや、その学校の英語の問題の難易度、さらには受験生各自の英語の得意不得意によって違うけど、どのような場合にせよ、「目標点=英語の問題全体で獲得すべき点数」になるのは言うまでもない。

 一般的な英語の入試問題は、複数の大問が出題されるから、大問ごとに正答率にばらつきがあるのは好ましくない。そうなると、全体の点数が下がってしまうのが普通だからね。また、手つかずの大問がある時点で、これも全体で合格点を取るのは難しくなる。だからこそ、効率よく全部の大問にあたれるように、大問ごとの時間配分と解く順番のメモを作る意味があるというわけ。

 ただし、どうやっても問題が全部終わらない人や、全部の大問を答えようとして大問ごとの時間が減り、その結果正答率が下がってしまう人は、捨て問題を作ることが必要になる場合もある。この捨て問題を作っていいのかも、問題全体で目標点を取れるかによって決まる。また、完全な捨て問題を作ったら厳しくなることは否めないから、全く捨てるのではなく、全体の最後に回し、残りの短い時間で取れる問題だけでも答えて、少しでも点数を稼ぐという作戦が必要になる。これを知るためにも、大問ごとの時間配分と解く順番のメモを作ることが有効なんだ。

 つまり、制限時間内でいかにすれば目標点以上を取れるのか、そのためにはどのような順番と時間配分で解けばいいのかを、受験生各自が考えることが大事なんだ。だから、分析する際も、問題全体での結果を、正答率と時間の両面から考える必要がある。これが1つ目の視点ね。

 そしてもう1つ大事なのが、大問別に分析すること。過去問はシミュレーションをするためにも、問題全体を通して解くことが大事だし、分析も全体でやらなければいけない。ただし、全体で演習し分析していると、苦手な大問が見つかるはず。極端に正答率が低い問題があったり、時間がかかってしまう大問があったりしたら、苦手な大問をどのように底上げしていくかを考え、対策を実行しなければいけない。

 また、過去問を全部通して解くのは、とても時間がかかる。もちろん全部通して解くのは絶対に必要だけど、問題全体でのシミュレーションがうまくいくならばそんなに解かなくていいし、その分の時間を使って苦手な大問だけを何年も解いて、自分に必要なものだけをしっかりと対策した方が、能率がよくなるんだ。また、苦手な大問が見つかったら、その学校以外の過去問や問題集で類似問題を解いたり、その大問に関係ある分野を以前勉強したものを使ったりして底上げした方が、過去問を使うよりも能率よく実力が上がる場合が多々ある。

 能率よく自分に足りない力をつけるためには、まずは自分の得意不得意をしっかりと把握する必要がある。自分の実力を客観的に把握するために、大問別に正答率と時間の両面から結果を分析することが大事なんだ。そうすることで、自分の苦手な大問や関係のある分野の底上げをするための対策方法が分かるから、その対策を実行することで、バランスのよい高い英語力が身につく。これが2つ目の視点ね。

 もちろん、この2つの視点は相互に関係があるから、結びつけて考えることが大事。苦手な大問があると、問題全体にも正答率や時間の面で支障が出てくる。例えば、制限時間よりも時間がかかってしまった大問があると、時間をかければできるはずの大問までもできなくなり、全体のスコアが大きく下がってしまう。それを避けるためには、その大問の制限時間を守るだけじゃなく、守れなかった場合は全体の制限時間に間に合うように、他の大問から時間を回さないといけない場合がある。

 また、大問ごとの時間配分は、問題全体のバランスを見てまずは決めるべきもの。それを元に過去問を演習し、結果を大問別に正答率と時間の両面から分析すれば、どの大問にどのぐらいの時間をかけるべきかが分かる。また、現時点での全体で獲得できる点数が分かるから、足りない点数を取れるようにするための対策が見つかりやすい。

 以上のように、問題全体と大問別という2つの視点は相互に関係があるから、結びつけて考えないといけない!そして忘れていけないのは、分析するだけで終わってしまっては無意味だということ。分析を生かして、できる限りの対策を行うことが大事だし、時間メモを修正し、違う年の問題に挑戦するのも大事だからね。


<時間&分析メモ>

 以上、英語の過去問の演習と分析の方法やそのポイントについて説明してきた。その中で、時間メモの作り方を説明したけれど、そのメモには分析結果も書き加えるのがお勧め。

 入試問題は学校によって大きく違うので、センター英語を使った例を紹介しよう。まずは下のリンクをクリックしてみよう。

「センター試験の分析メモ」

 これは、「センター英語の対策」にあるメモ用紙なのだけど、こんな感じでセンター以外の入試の過去問もメモを取るんだ。「予定時間」は過去問演習前に書いておくか、本番を意識するなら過去問演習の最初に書き、「実際の時間」は過去問演習中に書き加える。それ以外の項目は、答えあわせと復習をした後(ステップ4)で書き加えよう。入試問題はセンターと違って配点が公表されてない場合が多いので、その場合は得点と配点をなくし、「正答数÷問題数」に問題の質によって若干修正を加えるなどして、おおよその正答率を計算するといい。

 このメモにはメリットがたくさんある。真っ先に挙げたいメリットは、分析結果をメモすることでより詳しく分析することができるから、時間調整がやりやすくなること。例えば、ある大問が時間がかかりすぎて、当初の予定時間全体に支障がでそうな場合、他の大問の中から時間を回さないといけない。その際、正答率が高い大問から時間を回せば、問題全体の正確性とスピードのバランスがよくなる。また、思った以上に時間がかかってしまった難しい問題は後回しにし、速く正確にできそうな問題を前にするなどの修正も、メモを参考にすると分かりやすくなる。

 他にも、実際に解いた時の感想を書いておくと、書かないときよりも印象に残りやすくなるだけじゃなく、後になって読み返すこともできて役立つ。対策は考えるだけで実行しないままにしてしまうことがあるけれど、メモに書いておけばやらざるをえなくなるという効果がある。何年分か過去問演習と分析をした場合、それを比較すれば時間調整がやりやすい。時間を空けて過去問に挑戦してそれを比べれば、自分の実力の推移が分かるので、勉強がうまくいっているかどうかも分かりやすい。など、いろいろなメリットがあるんだ。

 このように、時間と分析のメモを作ることは、とても役立つ。まずはセンターのものを参考にしてやってみて、自分なりのメモを作れるようになろう。そして、何年分かやったメモを元に1枚にまとめ、試験会場に持っていくメモにしよう。


<データベースを活用しよう>

 「英語の過去問分析データベース」で、主要な大学の英語の過去問を僕なりに分析したものを公開してる。「大問ごとの時間配分と解く順番のメモ」を作る際や、問題を解いた後の分析に役立つと思うので、そちらも参考にしてね。