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がんばれ大学受験生-英語の過去問利用法!
時間配分と解く順番

 このページでは、大問ごとの時間配分と解く順番について書きます。「演習と分析の意味」で説明した過去問演習と分析の目的その1に関係あるだけじゃなく、普段の勉強や模試などにも役立つはずなので、しっかりと読んでポイントを理解し、実行しながら自分なりのアレンジを加えよう!

<試験問題に取りかかる前の準備>
<解く順番と時間配分の目安>
<自分に合うようにアレンジしよう>


<試験問題に取りかかる前の準備>

 みんなは、問題用紙が配られて、試験が始まったら、まず何をする?時間がないことにあせっていきなり問題を解き始めるとしたら、それは要注意!試験は、できる限り冷静に臨むのが大事。だから、問題に取りかかる前の準備がとても大事なんだ!

 人によっては、試験が始まる前から透けてる問題を読むって人までもいるかもしれないけど、そんなことしても読みづらくて気があせるだけで逆効果なだけ。試験用紙が配られたら、始まるまでは深呼吸をするなどして、とにかく落ち着こう。目をつぶって、「自信を持って冷静に!」などと自分に言い聞かせるのもいい方法だよ。

 試験が始まったら、まずは名前と受験番号をしっかりと書くこと。そして、いきなり解くのではなく、問題全部を見渡して大問ごとの時間配分と解く時間をまずは決めることが大事なんだ。

 試験が始まったからといって、あせってすぐに1番から問題を解いていくと、全体で時間切れを起こす危険性がある。それを避けるために、試験問題が配られたら、最初にざっと全体の大問数、さらには大問ごとの出題形式と量などを見て、時間配分と解く順番をあらかじめ決めておくんだ。(詳しいやり方はこの後で説明するね)最初は難しいかもしれないけど、慣れれば2〜3分ぐらいで出来るようになる。この時間がもったいなく感じると思うけど、これをやることで能率よく解けるようになるから、最終的には時間の節約になるんだ。

 もちろん、問題を解いているうちに当初の予定が狂う場合もよくあるので、その場合は臨機応変に修正することも大事。例えば、10分で解くはずの大問がその時間で終わりそうになければ、オーバーした時間を残りの大問の配分時間から減らしたり、時間を増やしても正解を導き出せそうになかったら、思い切ってその時点で一番よいと思える答えを出して次の大問に移り、最後に時間が余ったらその問題に戻ったりするなどの工夫をするんだ。その意味で、大問ごとの時間を全部足した時間が、試験全体の時間よりも少し短めになるように時間配分をすることを勧めるよ。

 そう、もう気づいた人もいると思うけど、この練習をするためにこそ、「英語の過去問分析!−演習と分析の意味」の目的の1つ、大問ごとの時間配分と解く順番を決めるためのシミュレーションをすることがとても大事になってくるんだ。

 英語は他の教科以上に問題量が多いので、スピードが重要になってくる。その意味では、過去問演習の1番目の目的が最も必要なのは、英語と言えるだろうね。スピードアップのためには、大問ごとの解くスピードを上げることも大事だけど、試験全体を考えて、大問ごとの時間配分と解く順番を考えてから問題に取りかかり、問題を解きながら適時修正することで、能率よく全ての問題が解けるようになる。これができるかどうかが、本番の入試では合否を分ける。だから、過去問を使って前もってシミュレートしておくことが必要不可欠なんだ。

 しかも入試の場合は、赤本などの過去問集を使って前もってシミュレーションをできるから、試験に臨む前に大問ごとの時間配分と解く順番の目安を作っておくことができる。それを書いたメモを持っていって、休み時間に確認し、試験が始まったら全体を見て変更された部分だけを確認すれば、前もって決めておいたものに少し修正を加えればいいだけなので、1分程度で大問ごとの時間配分と解く順番を考えることができるんだ。それなら試験に悪影響を及ぼすこともないし、全体の能率が上がるから、その1分が何倍もの価値を持つ。

 このように、試験問題に取りかかる前の準備は、試験が開始されてからはもちろん、休み時間も、前日までも、とても大事なんだ。しっかりと準備をし、試験に臨むようにしよう。


<解く順番と時間配分の目安>

 準備段階で大事と説明した大問ごとの時間配分と解く順番は、自分の実力や試験問題に合わせて考えることが大事なんだけど、もちろん一般的な目安はある。そこで、次に僕が勧める大問ごとの時間配分と解く順番に関する重要ポイントを説明するね。

 まず解く順番の基本は、「知らなければ時間をかけても解けない知識問題」から解き、「時間をかければかけるだけ点数アップが期待できる思考問題」を後にすること!つまりアクセント・発音・強勢などの発音に関する問題、単語・熟語などの語彙問題、文法問題、会話問題などを先にし、読解問題や英作文(特に記述系)を後にするといいんだ。その根拠を説明するね。

 知識問題は、知らなければできるものではないので、分からない場合時間をかける意味がない。また、それぞれが独立した短い問題であるのが普通なので、その問題はできなくても他の問題で挽回すればいいから、気持ちを切り替えて次に進むことができるよね。だから、前半にできる限り正確に素早くどんどん解いていくことで、後半に時間を残せるんだ。逆に、思考問題は、時間をかければかけるだけできる可能性が高まる。「だったら、時間のある試験前半でやった方がいいのでは?」と思う人がいると思うけど、それには大きな落とし穴がある。時間をかければかけるだけできるということは、思った以上に時間をかけてしまいがちになる。その結果、前半に思考問題を持ってくると、必要以上に時間をかけてしまうので、全体として時間切れを起こす危険性が非常に高くなってしまうんだ。(ちなみに大問ごとの時間配分は、これを回避するためでもある)だからこそ、知識問題から思考問題に移っていくと、全体的な時間配分のバランスがよくなる

 また、知識問題から思考問題へと移行していくのは、制限時間を有効に使うだけでなく、脳を英語モードに切り替える上でも有効なんだ。試験の最初に読解問題を読むと、頭に文章内容が入ってこないことがあると思う。これは、緊張のために脳がうまく働かないことによるもの。そこで、まずは単純な知識問題をテンポよく解くことでリズムを作り、また短めの英文を読むことで脳を英語モードに切り替えるんだ。そうすれば、知識問題よりも文章が長くなる読解問題が読みやすくなるという効果も期待できるよ。

 次は大問ごとの時間配分だけど、これは解く順番とも関係があるから、両者を関連づけて、もう少し具体的に見ていこう。

 前半の知識問題は、たいていの場合大問1つの中に複数の設問があるはず。そういう問題は、設問1つごとで30秒〜長くて1分を目安にして解こう。(会話問題などもう少し長い場合は、1〜2分ぐらいでもいい)分からない時は、消去法などを使って少しでも自信のある答えを埋め、次に進む勇気も必要。自信のないものには問題に印をつけておいて、時間が余ったら見直しの時に再度考えるのもよい手だね。知識問題の中でも順番をつけた方がいいのだけど、行ったり来たりするとマークミスをしてしまう危険性もあるので、大問順にやるのでもかまわない。これらの知識問題はいわばチャンス問題だから、正答率を試験全体の目標点数よりも最低10%は高くしたいところ。ただし、だからといって慎重になりすぎるのはまずい。知識問題をテンポよく素早く解いて、後半の読解などの思考問題に時間をいかに残すかが大事だよ!

 後半の読解と英作文のどっちを先にやるかは、各自の得意不得意にもよるけれど、英作文を先、読解問題を後に回すことを勧める。英作文は、最後に回すと時間切れで全く書けない危険性があるからね。もちろん読解も時間切れを起こしたらまずいけど、読解の場合は時間が短い時は短いなりに解かなければいけないし、時間に合わせて解くことも英作文よりは可能だからね。また、マーク式の読解なら短い時間でも解ける可能性があるし、最悪の場合はとりあえずマークしておけば運良く当たるかもしれない。でも、英作文の場合はマーク式になる整序英作文は別にして、他の場合は記述だから書かないと絶対に0点になってしまう。だから、英作文が先で読解が後の方がうまくいきやすいんだ。

 英作文は出題形式がいろいろあるので目安となる時間を設定しにくいのだけれど、一般的なレベルの問題の場合は、整序英作文や語句指定英作文は1つ当たり2分前後、和文英作文は日本語の1文当たり3分前後、自由英作文は10〜15分程度が目安になるよ。整序英作文や語句指定英作文は英作文というよりも語彙や文法の知識問題だから、正答率はさっきいった10%以上高くしたいし、スピードよく解きたいけれど、和文英作文や自由英作文は完璧に書くのは難しい。だから、できるだけ失点を避ければいいという意識で解き、必要以上に時間をかけすぎないことが大事だよ。

 読解問題は複数ある場合が普通なので、どのような順番で解くかが重要になる。その場合、文章(長さと難易度)と設問(出題形式)の両方の観点から考えるのが大事。鉄則はもちろん、文章が短かったり問題数が少なかったり複雑でなかったりする短い時間で解けそうなものからやり、手強そうなのを後に回すこと!ただし、記述が中心の問題とマークが中心の問題があった場合は、記述を先にやっておいた方がいいね。理由は、英作文で説明したのと同じだよ。読解も長さや設問の種類によって違うけど、一般的な読解問題の場合は、大問1つあたり20分前後が目安となる。ただしこれも、全体の問題量から判断しなければいけない。簡単な方法としては、読解以外の問題にかかる時間を全体の制限時間から引き、残りの時間を読解の問題数で単純割すると、だいたいの目安が分かるよ。

 ちなみに、今説明した短い時間でできそうなものから手ごわそうなものに移っていくのは、読解に限らず、問題全体を解く場合に有効な手段。入試では、満点を取る必要はない。合格最低点を取れればいいんだ。もちろん、満点を取るに越したことはないし、普段から完璧を目指して勉強することは大事。合格最低点を取ればいいやという意識を持ちすぎると、普段の勉強に甘えがでるからね。また、英語は得意にすれば安定して点数が稼げる教科だし、配点が高い場合も多いので、合格最低点よりも高い点を取りたいところ。ただし、満点を目指して完璧に解こうとすると、どうしても慎重になりすぎるから、時間切れを起こす危険性が増す。その結果、全体的に正答率が下がってしまっては意味がない。そのため、できる問題を着実に抑え、難しい問題をできるだけ取るという姿勢が必要になる。そこで、短い時間でできる簡単な問題をできるだけ速く正確に解き、残った時間を手ごわい問題に全力投球してできるだけ点数を稼ぐのが、問題全体で見ると有効というわけなんだ。


<自分に合うようにアレンジしよう>

 以上が、僕が推奨する時間配分と解く順番の目安。もちろん、解く順番は受験生各自の得意不得意にもよるので、自分の一番やりやすい順番にアレンジしよう。また、目安となる時間もそれぞれ違うので、実践しながら自分に合った時間配分を見つけるようにしよう。例えば、読解が複数ある場合、連続して解くと集中力が切れてうまく行かない人は、先に読解を制限時間内で1つ解き、知識問題をはさんでから別の読解問題に移るのも1つの手だよ。

 とにかく、時間切れや手つかずを絶対に回避するように、効率よい順番と時間配分で全ての問題を解くことが大事なんだ!どうやっても終わらない場合は、大問1つを捨てるのも確かに1つの手だけど、正直言ってそのような捨て大問がある時点で、その学校の英語の問題では合格点が取れないと思った方がいい。大問1つを捨てるということは、全体の点数が100点満点から大きく下がってしまうということ。下がっても、残りをほぼ完璧に答えれば高得点は取れるけど、終わらないという人は普通英語が苦手ということだから、ほぼ完璧に取ること自体が難しいはず。その結果、大問を捨てる人は、全部解く人よりも、圧倒的に不利になることは言うまでもない。

 先ほど述べたように、全問正解をする必要はない。センターは満点を目指したいけど、国公立は6割強、私立の入試では7割弱取れれば、まず合格できる。(学校によって違うので、合格最低点は各自調べておこう)。他の教科を考えると、英語は合格最低点よりも5分〜1割以上取ることを目標にしたいけど、これも各自の得意不得意による。そのため、全体で合格点が取れるのであれば、捨て問題を作ることも許されるけど、それはあくまで最終手段にしよう。捨て問題を作るにしても、完全に捨てるのではなく、短い時間でできるだけ解くようにするいい。とにかく、できる限り余裕を持って全部の問題を答えられるよう、実力を上げるのはもちろんのこと、過去問を使ったシミュレーションをしっかりと行うことが大事だよ。

 そして、自分に一番合う時間配分と解く順番は、実際にやってみないと分からないし、自分なりのアレンジも加えらない。本番のつもりで過去問演習をすることで、初めて見つけることができるんだ。また、受験校の問題によっても、修正を加えなければいけない。だからこそ、過去問を使った演習と分析をする意味があるんだ。メモを使った過去問演習をすることで、正確性とスピードの両面から考えて自分が一番実力を発揮できる時間配分と解く順番を見つけ、本番でも実行しよう。