↑小論文対策に本を読もう!↑

がんばれ大学受験生-英語の過去問分析データベース
慶應義塾大学−文学部
2005年度

 このページでは、慶應義塾大学−文学部 2005年度の英語を僕なりに分析したものを公開します。過去問利用の時に、参考にしてね!

<データ> <時間配分と解く順番> <大問別分析> <問題全体のポイント>


<データ>

制限時間−120分
配点割合−150/350点
合格最低点−225点(約64%)…英語−96点
 *小論文は通常点数が低くなるので、英語の目標設定は高めに取ること。!

大学のHPを見たい人はここをクリック!
学部のHPを見たい人はここをクリック!


<時間配分と解く順番>

 特殊な問題なので、私が勧める時間配分と方法を、文章を読む時間も踏まえて書いておく。各自アレンジしてほしい。

   1.本文全体を、辞書を極力使わないでざっと読み、大意をつかむ。(20分)
   2.辞書を使いながら、細かく各文を読み込んでいく。同時に([)以外の問題は解く。(60分)
   3.([)を解く。(25分)
   4.見直し(15分)

 *1で文章全体の構成と作者の主張をつかめれば、2で全部の文を細かく読まなくてよくなるので、この方法がお勧め。ただし、1では全然理解できない人や、1と2で2回読むと時間が不足する人は、1を飛ばして2から行おう。


<大問別分析>

 大問一つなので、設問ごとに分析。

 〔1〕 読解 テーマ−マスコミ(アメリカのニュース報道への批判)

            難易度−☆☆☆☆☆ 内容度−☆☆☆☆ 勉強度−☆☆☆

       (T) 和訳 ☆☆☆
 *挿入、関係詞の省略、間接疑問文と、3つのポイントを見抜けるかがカギ。見抜けなかった人は、精読の練習をしっかりとやろう。

       (U) 和訳 ☆☆
 *文構造は簡単だが、"sat on"の意味が取りづらい。前後の文脈をしっかりと踏まえて、できるだけ自然な日本語で訳そう。

       (V) 和訳 ☆
 *文構造のポイントが関係副詞しかなく、日本語にもしやすいので、これは完璧にできないといけないチャンス問題。

       (W) 下線部説明 ☆☆
 *選択肢同士の違いに注目し、前後の文脈をヒントに消去法で解くのが基本だが、文頭の"Worse,"が「さらに悪いことに、〜」という意味の文修飾の副詞であることを知っていれば、状況が悪いのだとすぐに分かるはず。

       (X) 下線部説明(20字) ☆☆☆☆
 *前の段落の例から下線部のある段落の第1〜2文へのつながりに注意し、下線部が「一般の視聴者」を指していることをつかめるかどうかが最大のポイント。後は下線部の意味を踏まえて、補って説明すればよい。

       (Y) 指示語 ☆☆
 *後ろに続くmay→butの譲歩パターンをヒントにすれば、but以下を探せばいいことが分かるはず。Theがついているからといって単純に前を探すと間違えるので注意。

       (Z) 英作文 ☆☆☆
 *和英辞典を持ち込めるので単語は調べられるのだから、設問の日本語を見て出題のポイントを見抜き、文構造をどのように書くかをしっかりと考えれば、特別対策しなくてもできるレベル。もちろん時間があれば、英作文の勉強をしておくに越したことはない。

       ([) 要約(100〜120字) ☆☆☆☆☆
 *設問の指示である「具体例を挙げながら」に注目。'dumbing down'は「大衆化」という意味だが、作者がこの文章で、アメリカのニュース報道が表現や内容を主張者に分かりやすくすることだけを考えて質を低下させているのを批判していることを踏まえて、それに合った具体例を探してまとめることが必要になってくる。


<問題全体のポイント>

 長文一つ、しかも辞書持込可と、かなり変わった問題である。文章レベルも大学受験レベルをはるかに超えている。ただし、辞書があるのだから、(T)〜(Y)までは、高いレベル(最低7割5分以上)でできないといけないし、合格者は差が余りつかないことが予想される。そのため、([)の論述問題が最大のポイントであることは間違いない。文章自体も長くて抽象的なので、論旨展開を意識して作者の主張を把握する力、つまり文章を読む力を、普段の読解の勉強で身につけておくことが大前提。さらに、論述の練習もしておかないといけない。その意味では、国公立向けの勉強をするとよいだろう。

 辞書は英和と和英を持ち込むことを勧める。ただし、辞書持込可といっても、全部を引いていると時間が足らない。辞書に頼る回数を減らすためにも、地道な語彙力アップは必要不可欠。またここを受験する人は、普段から電子辞書ではなく、普通の辞書を使うようにしよう。辞書を速く的確に引くには、普段の訓練がものをいうからだ。

 制限時間は2時間と余裕があるが、しっかり時間配分しないと全部の問題に全力で取り込めなくなる。自分なりの時間配分の目安を作り、過去問演習でコツをつかもう!慶應の文学部の問題はかなり特殊なので、過去問演習を多めに行い、文章をどのように読んで設問に取り組めばいいかを、しっかりとシミュレートしておこう。