ちょっといいもの-映画好き?
「39 刑法第三十九条」の感想

 まじでよくなかった?最近見た中ではぴか一。

 まず、展開がすごくいい。柴田(堤真一)が、本当は二重人格者なんかじゃなく、本当は別人になりきってるんじゃないか、そして、彼の本当のねらいは何なのか、という疑問で引き付けておいて、どうやら昔殺された妹の復讐だということがわかりかけてくると、最後にどんでん返し。僕も見ている間、なんで奥さんまで殺さなきゃならなかったんだろうって疑問を持ちつづけてたから、ああそうだったのかって納得した。しかも、彼の本当のねらいは、精神障害という名のもとに犯罪者を野放しにしてしまった、刑法への復讐であったというラストには、本当に引き付けられた。彼が香深へ言った、「最高の共犯者」というせりふは、本当にぐっときた。

 僕自身も刑法39条や(この映画を見るまでは39条だということは知らなかったけど)少年法に少し疑問を持ってたこともあって、そのせいか本当に共感できた。彼らを保護する法律自体に文句があるわけじゃないけれど、なんか、弁護士たちが罪を軽減するためにやみくもに使っている気がしてたから。(ちゃんとがんばってる弁護士さん、ごめんなさい。)社会で生活している以上は、やったことには責任を持つべきだと思う。法律についてもじっくり見直すべき何じゃないかな、社会はこんなにも変化してるんだから。でも、裁判官のさめたせりふに、変化を好まない権力者たちの現実が見えた気がした。

 堤真一はこの映画で見直した。以前お芝居を見たときに、あんまりいい印象がなかったから。でも、この映画のこの役は、当たり役だったと思うし、2重人格者(本当は違ったんだけど)という難しい役どころを見事に演じてたと思う。

 ということで、星5つ。見た後に、いろいろなことを考えさせられる深い映画じゃないかな?

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