ちょっといいもの-映画好き?
「アメリカン・ビューティー」の感想

 なかなかよかった。面白いだけじゃなくて、いろいろ考えさせられることも多かったし。

 ます純粋に笑いということろで面白い。けっこう暗くなりがちな家庭の崩壊とかのテーマを、おもしろおかしく表現してるとこがうまいっ!て感じ。レスターのだめだめな父親っぷり。そして恋に落ちた後の見事な壊れっぷり。アンジェラの話しを盗み聞きして、すぐにトレーニングをはじめるとこ、しかもそれをビデオにとられ・・・まじで大笑いだった。でも一番面白かったのは、やっぱあのシーン。大佐が窓越しに見て勘違いしちゃうとこ!(笑)

 ほかにもおもしろいとこはたくさんあったけど、でもたんに面白いだけじゃなくて、テーマも深いよね。家族の崩壊とかはアメリカだけじゃなく、どこでもありえること。(最近日本でもいろいろ問題になってるよね)この映画で一番印象的だったのは、最後にレスターが殺された時の写真を見ていた時の表情。その崩壊していく家庭の中で、アンジェラとの一件から、自分にとって本当に必要なものが自分の家族だったのに気付くとこなんか、せつないけどほんとに心にしみた。

 あと登場人物ひとりひとりがいろいろなものに束縛され我慢してたのに、ひょんなとこから壊れてくところは、ほんとうにうまく描かれてた。特に、アンジェラの気持ちってのはよくわかる。(関係ないけどあの子、ジョンベネちゃんに似てない?)実は自分に自信がないのに、それを見せないためにわざと遊んでるように見せて、自分をもてるように飾ってるとこなんか。それって、容姿だけじゃなくて、いろんなことにいえることだよね。みんな結局ないものねだりなんだよね。

 そうだ、大佐って最初のうちに実はホモなんじゃないかなあ?って思わなかった?あのあまりにも過剰なホモに対する反感ぶりとか、ちょっと精神病っぽい奥さんとかから。自分は実はそうなのに、それを見せないために嫌悪するってのはよくあるよね。だから最後にレスターにキスしようとしたとこ見て、「うわっ、やっぱりだー」って思ったもん。(笑)

 この映画って、父親が自分の娘の友達に恋をするって設置が面白いじゃん。これって普通ならありえないことだけど、ヤクルトのペタジーニって、友達のお母さんに一目ぼれしたんだってよ。それで結婚したのが今のオルガ夫人。ちょっとおもしろくない?ちょっと自分に置き換えてみて。ありえねーーーー!って感じじゃない?(笑)

 おかしくもせつない、とてもよくできた映画でした。

(2000.5.7)