ちょっといいもの-映画好き?
「ファイト・クラブ」の感想

 なかなかだった。特にブラピファンにはたまらないっしょ?(僕は違うけど)

 やっぱりこの映画は、タイラーが実はジャックの作り出した幻影であり、二人で一人だったというオチが、受け入れられるかどうかで評価がかわってくるでしょう。僕の意見としては、まあまあいいんじゃないかとおもう。あれがなかったら単なる暴力映画に終わっちゃうし、物質文明に躍らされる、哀れな現代人の性というのも、よく現れてたとおもうし。面白くなってきたのもオチ後だしね。

 大きなオチがあるという意味では、「シックス・センス」にもにてるかな。見てない人もいると思うから詳しくは書かないけど、ちょっと無理があるかなあという気もしないではない。シックスセンスの場合は、見終わった後でそういえば…と考えさせられるけど、ファイトクラブは「えーっ、そんなのあり?」って思ってしまう。そういった意味では、シックスセンスは完成度の高い映画だったのね。

 僕は暴力が嫌いだけど、男たちがファイトクラブにのめり込んでいくっていうのは、分かる気もする。実態のない世界の中で、自分の力だけが頼りの世界というのは、現実に不満のある人々にとってはすばらしいものだったのだろう。けんかした後にすっきりした気持ちで仲直りできるっていうのは、人間にとって大切なものだし。

 そういえば僕が子どものころは、よく公園で遊んでて、エスカレートしてけんかしたこともあったよ。(Sケンすると、最後は絶対けんかだった)でも次の日には、ちゃんと仲直りできたし、ああいうことで、友達との付き合い方や、暴力がいけないことだって学んだ気もする。最近の少年犯罪との冷酷さも、そういう体験が少なくなったことで、心が曲がってしまったこともあるんじゃないかなあ。やっぱ大切なのは心だもん。

 こうやって考えると、暴力を前面に出したわりには、訴えることも多い、なかなかの映画でした。星3つかな。

(1999.12.23)