ちょっといいもの-映画好き?
「いま、会いにゆきます」の感想

 とてもさわやかな映画だった。基本がファンタジーで突っ込みどころが満載だから、感動できるかどうかはこの非現実的な設定を受け入れられるかどうかだけど、僕は素直に感動できたな。でも、これって結婚してる男目線で見ないと分からない映画なのかも・・・

 夫は自分のせいで亡くなった妻が不幸せだったのではないかって思ってる。これって、十分ありえると思うんだ。僕も結婚してるけど、妻を幸せにできているかどうかって、常に不安に思っている部分だしね。でも、相手が幸せを幸せにするのではなく、自分が相手といていかに幸せなのかが大事なんじゃないかと思うんだ。その意味では、巧は澪といて幸せだったし、その幸せさを感じていた澪が不幸せなはずはないんだよね。でも、やっぱり自分を責めてしまう気持ちも分かる。巧の場合は病気もあったしね。お互いがお互いを思いやる気持ちがいかに夫婦には大事か・・・そんなことをこの映画を見ながら考えたよ。

 あとこの物語は、最後の種明かしが非常にうまいと思った。全ては事故にあって未来の自分を垣間見てしまったことから生まれるんだけど、死んでしまう運命を選ぶ澪の強さと、巧への思いの激しさは、想像以上なんだろうね。そして、自分の死後2人に会いにいく自分のために日記を残す。この最後に至るまでにいろんなところに伏線が張ってあって、それが最後に解決する作りは、非常にうまいと思った。これがうまくできてるから、ファンタジーにありがちな不自然さを和らげてるんじゃかいかな。

 でも1つ突っ込むと、日記が1冊では短すぎない?自分の運命をつづるだけなら十分だけど、高校時代から書いていた日記と同じだから、それだと無理があるんだよなあ。そこらへんはどうなってるんだろう?

 それにしても、竹内結子はなんであんなにかわいいんだろう。こういう映画にはまさにはまり役だね。そりゃあ、中村獅童(本人)もほっとかないわなあ。(笑)高校時代の役の大塚ちひろも、雰囲気出てた。今ちょうどはまりまくってるテレビドラマの「白夜行」でも出てくるんだけど、眼鏡をかけてたせいかそれほどかわいいと思わなかった。でも、この映画ではとてもかわいかったし、恋する乙女の演じ方がとてもさわやかだった。巧の高校生役の男の子も、中村獅童にとてもよく似てたし、やっぱり映画のキャストってすごいね。2人の高校生のシーンを見てたら、僕も甘酸っぱい思い出がよみがえってきたよ。(笑)

 これはまじで原作を読んでみたい。原作者も巧と同じように病気で・・・前にテレビでちょっと見たんだ。そこらへんがこの物語に反映されてるんだろうけど、本だともっと心理描写が細かく出てそうな気もするので、ぜひ読んでみたいなあ。読み終わったら、もう一回映画も見てみようっと。

 泣くまではいかなかったけど、さわやかな感動が心地よかったので、星4つにしようっと。

(2006.3.4)