ちょっといいもの-映画好き?
「インビジブル」の感想

 けっこう怖くなかった?ストーリー展開はまずまずだったけど、とにかく映像がすごかったよ。

 まずすごいのが、透明人間の描写。変化していくときはもちろん、変身した後の姿(見える時見えない時含めて)が、ほんとにいるみたいな感覚になったもの。あとは殺戮のシーンも迫力あったし。最近のSFXはすごいねえ。

 あとうまいと思ったのが、透明人間とかだとファンタジーなものになりそうなんだけど、その見えないってのをうまく恐怖の対象としたところ。たしかに怖いよね、見えないのに存在するんだよ。もうやりたい放題じゃん。だから彼が自由の力を手に入れて精神が壊れていく様は、けっこう納得できたよ。そうそう男なら納得してくれると思うけど、「透明人間になりたい」って小さい頃誰でも思わなかった?(笑)

 絶対的な力を手に入れたことによって精神が狂い、その結果仲間をも殺害し、(昔の恋人への嫉妬もあったけど)でも結局そのために地獄に落ちていくストーリーは、現代の行き過ぎた科学技術へのアンチテーゼとして見るのも面白いんじゃないかな?(おっ、だんだん文学的な評論になってきた。(笑))最近の科学は、人間が入ってはいけない領域に踏み込みすぎだと思うし、近いうちにほんとに透明人間が実現するかもねえ。あーこわっ。

 ひとつ難をいうと、あわや透明人間に殺されるってシーンで、突然恋人が助けに来たじゃない?あんな重傷だったやつが、いきなり助けに来るわきゃねーだろ!あとひとつ疑問に思ったのが、やけどは少ししたら消えたのに、電気ショックだと消えなかったとこ。あれはどういう構造になってるんだろうねえ?

 長年の男の夢、透明人間を恐怖の対象にうまく使ったってことで、けっこう面白い映画だったんじゃないな?

(2000.11.5)