ちょっといいもの-映画好き?
「ジョンQ」の感想

 いやー、いい映画だった。デンゼル・ワシントンは本当にかっこいいね。

 息子の命を守るために病院を占拠するってこと自体は、もちろん違法だし、許されるべきことじゃない。こういうことが許されたら、現代社会は成り立たないからね。でも、本当なら犯罪者のはずのジョンを思わず応援してしまう。この気持ちって何なのだろう?これを考えることこそ、この映画のミソだと思う。

 一番分かりやすいのは、もちろん親子愛。息子のためにどんなことをしても、自殺して、自分の心臓を移植してでも救いたい。こんなことまでするような親子関係って、もう今ではあまり見られないよね。だからこそ、ジョンの姿に感動できると思うんだ。あと彼の人柄ね。銃に弾が入ってなかったのが、それを一番よく表してた。

 もう1個はやっぱり社会問題の現実だろうね。金持ちばかりが優遇され、社会的弱者は切り捨てられる。これはアメリカだけじゃなく、日本だって、他の国にだってあること。全て、金、金、金っていう時代じゃない?もちろんお金は大事だけど、そのために心を失ってしまった社会って、一体何なんだろう?医療問題だって、一杯変えるべきところあるのに、全然変わらない・・・

 現実的に言えば、社会はもうひどいところまで来ていて、決して変わらないのかもしれない。でもそれを絶望して放っておくんじゃなくて、こういう映画みたいに声を上げて問い直すことって、絶対的に必要だと思うんだ。1人1人がまず考えること、これがどんなことでもスタートだと思うから。

 ちょっと硬い話になっちゃったけど、この映画はいろいろ考えさせてくれる、とってもいい映画だと思う。星4つ!

 *DVDの特典映像を見ると、もっとこの映画を深く理解できるよ。

(2003.9.18)