ちょっといいもの-映画好き?
「ペイ・フォワード」の感想

 なかなかよかったよね?じわじさとこころに染みる映画だった。

 でも最後のシーンは反則だなあ。インタビューの最後に、「もうだめになっちゃった、僕がろうそくを吹き消しちゃったから」っていってたのに、すごいたくさんの人々が彼の死を惜しんでろうそくをもって現れるなんて。あそこはみんなくるところじゃない?

 彼は自分では、3人ともペイフォワードできなかったと思っていたけど、実は彼の意志やひとにたいするやさしさは3人を救っていた。人が人を助け、それを返す(pay it back)のじゃなくて、次の人に送っていく(pay it forward)っていう発想は、単純なんだけど、すごいいいアイデアだと思う。自分にしてもらった善意も、その当人にしか返す気にならないものだから、他人にってのはいい着眼点だと思う。これこそがほんとうの助け合いなのかもしれないな。

 ただ、実世界でうまくいくかっていうとちょっと疑問だなあ。これは人間の善意を信じるかっていう、ちょっと性善か性悪かっていう議論にも通じるところだけど、みんなはどう思う?僕はどっちも正しいとは思わない。ペイフォワード運動が実際に起きたら、反応は人それぞれだと思う。

 でも、どうしても悪い面ばかりが強調されがちな世の中でも、善意を持った人はかならすいるはずだし、人間の善意を信じられないと、映画じゃないけど、ほんと世の中はくそ(shit)になってしまうと思う。ちょっと楽天主義なのかもしれないけど、悲観してるだけでは何も起こらないしね。

 この映画でそれ以上に僕が感じたことは、前に踏み出そうとする勇気の大切さ。ちょうど「チーズはどこへ消えた?」っていう本を読んでたせいもあるんだけど、やっぱり人って変化が怖いなんだよね。つい事なかれ主義になってしまう。シモネットのセリフはまさに印象的だった。

 でも、彼も勇気を出して愛を全うしようとしたし、トレバーも自分の命を落すことにはなったけど、最高の勇気を見せることができた。こういう変化を怖がらず、前に踏み出そうとする勇気は絶対に必要だよね。

 ストーリーもなかなかだったけど、何といっても演技がすばらしかった3人の役者たち。特にハーレイ君はシックスセンスでもそうだったけど、まじですごいね。末恐ろしいというかなんというか。子役にありがちな人生にならないことをまじで望みます!!

 星3つか4つか迷うとこだけど、泣かせようというみえみえさがちょっと・・・なので、辛めに3つってことで。