ちょっといいもの-映画好き?
「リング」の感想

 やっぱりすごい映画だね。僕がサイコホラーにはまるきっかけになった作品なんだ。

 コラムにも書いたけど、怖さって2種類あると思うんだ。「リング」は映像とか音とかでとにかく怖い雰囲気を醸し出して、井戸で遺骨を捜すシーンや画面から貞子がでてくるとこなんかでまじでびっくりさせたりと、瞬間的な怖さはもちろんすごいんだけど、それ以上に人間の怖さというかえぐさというか、人間の持つ汚い部分とそうなっても仕方がない人間の性を見せつけられた。だから見終わった後は怖いというより、重い映画だなって思ったし、その恐怖がずっと続いてたんだよね。だから持続する怖さも兼ね備えてる、恐怖映画としては最高の作品じゃないかな?

 玲子は自分の愛する息子を守るため、両親にビデオを見せに行くでしょ。あれって考えるとすごい行為だよね。でも仕方がない気もする。自分だったらどうするかなって考えると、すごく怖くなるもん。呪いのビデオは真実味はないかもしれないけど、それに振り回せれる人間の行動には、すごい真実味があるんだよね。だからこそ怖いし、重い・・・

 僕がこの映画を最初に見たのは本八幡の小さな映画館だったんだけど、中に入った瞬間になんとも言えないよどんだ空気が流れてたんだよね。だから余計怖かったんだけど、ビデオでも十分怖かったよ。だって呪いのビデオの話を見た後に、そのビデオを取り出すんだよ。きゃー、こえーーー!

 あと、映画だけじゃなくて、原作を読むともっともっと楽しめるはず。TV版(連続じゃなくて1本だけのやつね)は原作に近いので、映画と見比べてみるのも面白い。もちろん「リング」が最高だけど、リングシリーズの他のも見るともっと世界が広がるよね。その全ての元になったのがこの作品だし、それだけ広げられるほどの深さがこの映画にはある。

 本当に怖くて重い映画でした。文句なく星5つ!

(2002.10.6)