ちょっといいもの-映画好き?
「シュリ」の感想

 かなりよかった。さすがはおすぎのおすすめ!(笑)

 結局自分の恋人がどうやら追いかけている敵の女だということがいつわかるかによってこの映画の面白さが変わってきちゃうんだろうけど、僕の場合「なんかそうじゃないかな?」って最初のほうで感じちゃったんだよね。(彼女の哀愁あるセリフとかの中にね)でも相手の軍団の中に女の人がいてその人だと思ってたから「そんなわけねーよなー」って。そう思ってたら、インターネットカフェのハンドルネームで「もしや・・・」って。でも一応狙撃したから違うのかな?とも思ったけど、やっぱりそうだった。衝撃が今ひとつだったけど、そのどんでん返し&うまいネタふりがこの映画のミソだし、めちゃうまいところ。

 そんなことより僕が見終わって一番印象に残ったのは、「愛する人を殺さざるをえない時の気持ちってどういうもんなんだろう?」っていうこと。そんなことは現実ではありえないことなんだろうけど、彼女の方からも「死んで苦しみから解放されたい。しかも死ぬなら愛する人に・・・」って思いがあったんじゃないかなあ?だからこそ悲恋が引き立つ。

 でも残された男はつらいよね。使命とはいえ、婚約者を撃ち殺すんだよ。想像できないけど、だからこそそのせつなさが伝わってきた。(でも泣かなかったからおすぎに怒られちゃうな)

 あとこの映画がなんといってもすばらしいのは、恋愛やアクションの中に、複雑な朝鮮問題をうまく取り入れているところ。南北融合への思いと経済格差や政治的問題の中でゆれ続ける朝鮮の現状が伝わってきた気がする。しかも元はといえば他国のエゴによって分裂させられたんだよ。朝鮮だけじゃなくて、本当の平和が来る日はいつなんだろう・・・いやいつなんだろうじゃなくて、僕達一人一人が少しずつでも努力していくしかないね。

 シュリっていうタイトルもうまいね。朝鮮半島固有の澄んだ川の水にのみ生息する淡水魚なんだけど、ってことは南北の融合の象徴なんだろうし、でも今の状態ではちゃんとシュリが生きれるような状況かっていうのも疑問。(澄んだ水=平和な世界なんだろうね)だから願いと皮肉の両方が混ざってるんじゃないかな?深い・・・

 韓国映画って初めて見たけど、思った以上によかった。(僕が社会ものが好きだっていうせいもあるけど)今後は他の韓国映画も見てみようっと。期待もこめて星4つ。

(2002.3.26)