1986年6月25日、ラブラドール・レトリバーのツキスミは、5匹の赤ちゃんを産んだ。その中に、脇腹に珍しい黒い印をつけた犬、後に盲導犬となるクイールがいた・・・
盲導犬のクイールの一生を、写真と文でつづってあるんだけど、赤ちゃんのかわいい写真から、さまざまな別れを経て盲導犬となっていくクイールの姿には、何とも言えない感動を覚える作品。
僕も犬を飼っているから余計にそうなのかもしれないけど、犬に癒され、助けられる人間達と、自分の責任をわきまえながらも人間の愛にはぐぐまれて育っていく犬の姿には、僕らが見失いつつある命の重みとか、愛情によるつながりとか、思いやりとか、やさしさとかの大事さが、恩着せがましくなく、にじみ出ているように思う。
また、盲導犬についても学べるし、その重要性や育成の大変さなども分かる。僕も将来パピー・ウォーカーなどのボランティアで協力できたらいいなって思った。そういう福祉とかボランティアとかの面が、日本では遅れてしまってるよね。
ぜひ子供から大人までいろいろな人々に読んで欲しい本。短くてすぐ読めちゃうような本だけど、伝わってくるメッセージは大きいと思うよ。
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